「自民党の総裁選です。石破元幹事長は、立候補を見送る方向で調整をしていることが分かりました。石破さんは河野さんの支援を検討しているそうです。その場合、総裁選にはどのような影響が出てくるのでしょうか」と司会の羽鳥慎一が疑問を投げかけた。7日(2021年9月)の「モーニングショー」はポスト菅をめぐる水面下の動きを伝えた。
各陣営の思惑
石破茂・元幹事長は、推薦人集めが難航。石破派の中でも「二階派に頼ってまで出る必要があるのか」という声があがり、河野太郎氏支持に走る人も出てきていているそうだ。
テレビ朝日政治部の河田実央・与党キャップは「今回、二階派は自民党内で冷たい目で見られている。若手は『世代交代』『脱派閥』という声を高く上げる人が多く、石破陣営は、二階派と手を組むことがマイナスイメージにつながると見た。また、二階さんたちの力を借りて勝ったところで、自分たちの手で人事をすることは難しくなるのではないかと言う声もあり、今回は出馬を見送った。戦略的撤退だと言っています」と解説。
石破氏の周辺では「石破・河野で組んだら流れは一気に決まる。石破氏が出馬するより河野氏を支援する方が自民党の改革につながり、世代交代をアピールできる」という声が上がり、石破派は河野氏の支援を検討しているようだが...。
河野陣営は石破派の動きをどう見ているのか。
プラスかマイナスか
政治ジャーナリストの田﨑史郎氏は「意見が分かれています。確かに党員・党友票の方ではプラスに働くかも知れない。しかし石破さんが河野さんを支援するかと言って、『石破さんが良い』と言っている人が『河野さんが良い』となるかは分からないわけです。永田町で見ると、安倍さんや麻生さんにとって、石破さんは不倶戴天の敵。『河野は石破とくっつくのか』となってしまう」と話す。
また、河田・与党キャップも「最初に報じた時は、党内で人気の高い石破さんと河野さんのツートップが1本化されれば、河野さんに流れができるという見方が広がっていた。しかし今は、簡単にそうは流れないだろうと。特に安倍さん、麻生さん、二階さんという影響力を持つ人たちの動向がまだ定まっていないので、石破さんが抜けたことで河野さんや岸田(文雄)さんの支援がどうなるかなどの不確定要素が増えてしまいました」。
二階派はまだ様子見。しかし田﨑氏も河田・与党キャップも「流れに乗り、河野氏を推すことになるのでは」と見ている。
一方、自民党幹部の中には「党員の平均年齢は高いからみんな安定感を求めると思う。そうなると河野氏の票は伸びない。石破氏に入れようとしていた党員票は岸田氏に流れるのではないか」という見方もあり、まだまだ構図が固まったとは言い難い状態のようだ。
(ピノコ)