新型コロナウイルスの6日(2021年9月)の感染者は、東京都で968人と1カ月半ぶりに1000人を割るなど、減少傾向にある一方で、子どもの感染が増えており、小児医療の全体への影響が出始めている。7日の「あさチャン!」が、この問題を取り上げた。
全国の感染者も8229人と1カ月ぶりに1万人を下回ったが、救急搬送は増えている。「民間救急フィール」が搬送した男性は8月27日に陽性と判明。ホテル療養していたが、10日以上たっても酸素飽和度が低いため入院した。斎藤学代表は言う。「第5波に入って7月終わりから搬送件数も増え、平均15件から20件前後、多いときで25件、毎日搬送している」。子どもの搬送も「月に20人、30人になる。0歳から小学生、高校生までの搬送も増えている。家族間クラスターとか、学校・塾などのクラスターも増えている」と同代表は言う。
親が回復しなければ退院できず...
兵庫県立こども病院は、がんや心臓病な小児難病を専門とするが、こども専用のコロナ病床」が5床ある。現在、1歳未満の乳児3人が入院。「新学期に入って全国各地でクラスターが起こり始め、今用意している病床以上になったら、いまいる(通常医療の)人をどこか別の病棟に行ってもらって、看護師さんをどこから派遣してもらうかってことを、いまみんなで知恵を絞ってシミュレーションしている」と同病院の担当部長は言う。
デルタ株が広がる中で、家庭内感染が問題に。今月に入って東京都では、新規感染者6994人のうち6割以上の4392人が家庭内感染だ。兵庫こども病院の担当部長は、子どもは軽症だが親が中等症で入院した場合に、こどもも「医療保護的」に入院しなければならない事態が増えつつあると指摘。子どもが回復しても、親が回復しなければ退院できず、病床逼迫につながってしまうという。このため、軽症の子どもたちをある程度保護できる「子ども専用の軽症ケアセンター」のようなものが必要になってくる、という。
例えば、温泉旅館で「お泊り保育」、あるいは、地域の小児科医が当番制でケアにあたり、悪化した場合には病院に送る、といった体制を提案している。
こどものコロナ感染増は、学校現場や働くお母さんの休業補償対策に跳ね返る。緊急事態宣言の延長期間計算にも政治的思惑先行が懸念されるなか、ことば通り「コロナ対策最優先」で進めてもらいたい。
(栄)