2回のワクチン接種を終えた人の飲酒などの行動制限緩和をまとめた「ロードマップ」を検討しているが、先週金曜日(2021年9月3日)の政府のコロナ対策分科会では異論が相次いだ問題を6日の「あさチャン!」が取り上げた。
「あさチャン!」に全国知事会会長が語ったコト
3日の政府コロナ対策分科会で尾身茂会長は、ワクチンを2回接種した人の行動制限を緩和する「ワクチン・検査パッケージ」提言を発表。ワクチンが一定程度普及すれば、都道府県をまたぐ旅行や出張、大人数での会食・同窓会などの宴会、大学の対面授業、大規模イベントができるとした。「こうした考えを一つのたたき台として国民的な議論をしていただきたい」と語った。
これに対し、異論が相次いだ。全国知事会の会長に就任したばかりの平井伸治・鳥取県知事は、番組のインタビューに対し、当日の議論を振り返った。
「ワクチン接種が進んだから大丈夫、みたいな議論は、一番現場はカチンとくるんですね。感染をみんなで抑え込もうとしているときに、水を差さないようにしていただきたい、と申し上げた」。さらに「ブレイクスルー感染が、割と平気で起こっている。ワクチン2回打った、PCR検査で陰性だった、これでいろんな行動制約をほどいてしまうだけでいいのか」との反対意見もあったという。
全国の知事からも、分科会で発言してくれと次のような意見が届いたという。「学校のクラブ活動にも影響する」「PCR検査の費用はだれが負担するのか。国の方で措置しなきゃいけない」。一方で、同知事は、「ワクチン接種が進んで、期待感も県民の間に生まれ、事業者も出口を探しに行きたいという気持ちが高まっている。ロードマップは大切な考え方だと思う」とも話した。
「ワクチン打ったから何してもいいやみたいな」の声も
一方で、街では「勝手にピークアウト判断」をして、飲酒や夜の外出する姿が目立った。街では「ワクチン打った人がどんどん外出して、経済回したらいいじゃん」「コロナにならないっていう安心じゃないですけれど、ワクチン打ったから何してもいいやみたいな」。
東京歯科大学市川総合病院の寺嶋毅教授は、「十分に下がりきっていないところから、また上昇し始めると、前回のピークよりもさらに超えてしまうという懸念はある。9月に入ると学校が始まるので、改めて注意しなくてはいけない」。
日経新聞記者が8月下旬に目視で調べた都内500店調査(5日朝刊)によると、6割が午後8時以降も営業し、その大半が酒類を提供していた。この「6割」も材料に入れて、「ロードマップ」各論の議論を始めよう。
(栄)