中国各地でアイドルイベントが大ブームになっており、社会現象化している。アイドルをひと目見ようと空港にファンが殺到し、アイドルの宿泊先で「出待ち」するファンも多数いる。なかにはアイドルの自宅に不法侵入するなどの過激行動もあり、8月27日(2021年)にはついに中国当局が対策に乗り出した。9月3日の「モーニングショー」が取り上げた。
アイドルの人気ランキングを禁止
5月にSNSに投稿された動画では、大量の乳製品を開封しバケツに中身を入れ、排水溝に廃棄する姿が映し出されていた。この乳製品にはアイドルオーディション番組の投票権がついており、ファンが投票目的で大量に購入し、不要な乳製品を捨てる行為が相次いでいるという。これは、お気に入りのアイドルを応援する「推し活」と呼ばれる行為で、それがどんどんエスカレートして社会問題化しているのだ。
ほかにも、アイドルの生配信番組ではアイドルに直接現金が送れる「投げ銭」というシステムを使って、若者が推しのアイドルへ多額のお金を貢ぐ行為が問題になっている。投げ銭で生活費や学費を使い込む若者が続出し、中には16歳の少女が160万円を貢いだケースもある。
さらに人気アイドルグループが投稿したSNSによると、帰宅してエレベーターに乗ろうとしたら中でファンが待ち構えていた。また、自宅にファンが勝手に侵入し、部屋内を物色し、風呂で入浴したうえにバスローブを着てくつろぐ姿が防犯映像に捉えられていたこともある。
中国のインターネット規制当局は8月27日に、アイドルの人気ランキングを禁止した。ランキングがあることで、「推し」アイドルのランキングを上げるためにネット上で「いいね」をしたり、「投げ銭」をして公式グッズを購入したりして応援する行為につながるからだ。特に問題視されているのが投げ銭で、親のお金まで使い込む未成年が増えている。