きのう2日(2021年9月)の東京の新型コロナ新規感染者は3099人で、11日連続で前の週を下回った。果たして東京はピークアウトしたのだろうか。藤森祥平アナウンサーが専門家に話を聞いた。
感染者数の減少について番組が街で取材すると、「すごいと思いますよ。ワクチンの効果があるのでは」「1000人を切るような形になればいいですね」と楽観的な意見が目立つ。東京歯科大学市川総合病院の寺嶋毅教授も「PCR陽性率も低下しており、ピークアウトしていると見ていいと思う」と話す。
夏目三久「感染対策を緩めてはいけないというところは変わりませんね」
一方、厚生労働省のアドバイザリーボードのメンバーの和田耕治・国際医療福祉大教授は「確実に減ってきているかというと、まだまだ見えていない状況」。同大の松本哲哉主任教授も「このまま順調には減らないのではないか」と懐疑的だ。
理由の1つは、医療対応で手いっぱいの保健所が濃厚接触者を十分に追跡できないことによって、自覚症状のない「隠れ陽性者」が増えていること。和田氏はその数について「(発表されている数の)3倍から5倍の方が地域にいる」と指摘する。
もう1つは、8月中旬のお盆休みや台風による長雨の影響で人の流れが減少し、新規感染者も減っているという見方だ。松本氏は「学校も始まり、むしろ8月より9月の方が人の接触の頻度が高まる」と話す。確かに、お盆明けの2週間で東京の繁華街の夜の人出は16.7%増加。きのう2日に行われた東京都のモニタリング会議でも、大曲貴夫医師が「滞留人口の増加が続くと、新規感染者数は必ずや反転してくる」と警鐘を鳴らしていた。
MCの夏目三久が「ピークアウトしたとしても、引き続き感染対策を緩めてはいけないというところは変わりませんね」とコメントした後に、日比麻音子アナウンサーが伝えたのは、「10~11月をめどに、緊急事態宣言地域でも酒提供など行動制限の緩和を政府が検討している」というけさの毎日新聞の記事だ。ワクチン接種が進むことを前提に、飲食における時短や人数制限の緩和、「Go Toトラベル」など県をまたぐ移動の緩和、イベントにおける人数制限の緩和などが検討されているという。10~11月といえば、総選挙が想定されている時期と重なる。
日比アナ「『性急な緩和が感染の拡大を招くと指摘する専門家も多く、議論を呼びそうだ』と記事は伝えています」
(キャンディ)