2日(2021年9月)の新型コロナウイルス新規感染確認者数は全国で1万8228人、重症者数は過去最多の2158人。東京都の感染確認は3099人で、11日連続で前週を下回った。しかし、3日の「モーニングショー」で、国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授は「東京はピークアウトしたかもしれない数字になっているが、今後感染者が減る状況にはなっていない。重症患者や死者も増えており、安心できる状況にはない」と言う。
条件付きで酒類提供や「県境またぐ移動」の自粛求めず
そんななか、3日の毎日新聞が、新型コロナ流行地域での人の移動や行動の制限緩和をまとめた政府のロードマップ(行程表)の原案が判明したと報じている。記事によると、原案ではワクチン接種と感染防止対策を前提として感染拡大は一定程度制限できるとし、ワクチン接種がおおむね完了する10~11月ごろに行動制限を縮小・緩和する方針だという。
緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令地域での緩和も盛り込まれており、飲食店では感染対策を講じ第三者認証を受けた飲食店での酒の提供が可能となり、営業時間制限も緩和。ワクチン接種済み、もしくは検査で陰性だった人は会食の人数制限も緩和・撤廃される。さらに、旅行では接種済みの人には外出や県境をまたぐ移動の自粛を求めず「GO TOトラベル」の実施容認も検討すると伝えている。
これについて、松本主任教授は「正直腹立たしい。これだけ深刻な状況の中で、なぜこれほど楽観的な議論ができるのか。10~11月に緩和するのは厳しい状況だ。いかにも選挙を意識したような内容だ。こういうことは、しっかり感染症を抑え込んだ上で言ってほしい。経済を回すことは大事だが、今発表することなのかと思う」と怒りを露にした。
玉川徹「いずれは必要なことではあるが...」
テレビ朝日コメンテーターの玉川徹は「いずれは必要なことではあるが、治療薬が登場してから緩和するのがよいと思う。政府は経済に関しては先手先手を打つが、感染対策については悪化していても先手を打ってこない。このアンバランスに関してはダメだと思う。感染対策と経済対策、両方とも先手を打ってするべきです」と指摘。
バイオリニストの廣津留すみれは「イベントをやっている側からしても少しは希望の光が見えて来ていると期待はしているが、今はそういう状況にない。まるでお腹が空いた人の前にご飯を置くようなもの」とコメント。
スポーツキャスターの長嶋一茂は「やはり今は時期じゃない。タイミングが悪い。支持率を上げたいという目論見だろうが、いま議論すべきは入院のベッドの確保や人員の問題だ」と話した。
(バルバス)