8月30日(2021年)放送の「激レアさんを連れてきた。」(テレビ朝日系)に、元プロ野球選手の水口大地さんが出演した。
水口さんは高校卒業後の2008年、四国・九州の独立リーグに所属していた長崎セインツに入団。12年のドラフト会議で埼玉西武ライオンズに育成1巡目で指名され、20年に現役を引退した。
「意外とバレなくて」
そんな水口さんだが、「本当は身長163センチなのに、ひたすらサバ読み続けてきた元プロ野球選手」として番組に登場。「高校生の時からずっとサバ読んではいるんですけど、MAXで175センチまで行きました」と告白する水口さんに、レギュラーの若林正恭さん(オードリー)は「絶対ムリよ!強調しちゃうよ、163を逆に」と笑った。
高校で野球部に所属していた水口さんは、高1の冬に身長が163センチで止まったという。サバ読みのきっかけとなったのは、高2の夏の大会前のアンケート調査だった。
水口さん「試合がテレビ中継であるんですけど、そこに身長と体重が出るんですよ。それをもしかしたらスカウトの方が見てるかもしれないとかいろいろ思いながら」
アンケートに172センチと記入したのが通用してしまい、高3の夏にはさらに高くサバ読んで175センチと記入。
水口さん「さすがにバレるのかなと思ったんですけど、大きい人たちってあんまり小さい人の身長を見ないので、意外とバレなくて。逆に(身長が)近い人たちにはバレてましたけど」
野球部引退後、同じ県の別の高校に通っていた、元巨人の土田瑞起さんから「卒業したら一緒に長崎セインツ行こうぜ」と言われ同球団に入団。ドラマ「ROOKIES」(2008年放送)に出演していた市原隼人さんの影響で、「真剣に野球やったらかっこいいんじゃないか、モテるんじゃないかな」と思ったこともあり、入団時には市原さんと同じ身長の171センチと申告したという。
「身長絶対嘘っしょ!」
入団から4年間、171センチという設定を死守した水口さんは、「今年ダメだったら辞める」と決めた2012年の秋に見事西武から指名された。しかし入団初日、新人選手と監督・コーチ陣の食事会で、172センチの高木浩之コーチから「171センチって嘘だろ!」と指摘されたことで、球団最低身長の168センチに「サバ読み直し」した。
そんな水口さんをさらなる悲劇が襲う。2013年にドラフト1位で入団した森友哉選手の身長が170センチだったのだ。
水口さん「森選手はスーパースターで、高校野球の時から。よく見てたんですけど、甲子園とか。その時に身長って出ちゃうじゃないですか。こいつ(西武に)来たらやばいなと思いながら見てたんですけど、やっぱり来てしまったので、(自分が)6歳上だから大丈夫かなっていうのもあったんですけど...」
しかし春季キャンプで、森選手から「身長168センチって絶対嘘っしょ!え、気にしてる感じっすか?本当は身長なんぼっすか?」と絡まれてしまい、水口さんは大勢のチームメートがいる中、「165センチ」と再び「サバ読み直し」を強いられてしまった。
水口さんがとうとうサバ読みをやめることになったのは16年、1軍の試合に初出場した数日後に野球少年から届いた1通の手紙がきっかけだった。
「今まで自分は背が低いことに悩んでいました。でも水口選手を見て勇気を貰えました」
この言葉を受けて「163センチでいこう」と決意。8年間のサバ読み人生を終わらせた。
水口さん「自分の息子が小さくて、っていう方たちからもたくさん、勇気もらえましたっていう手紙をもらったので、そんな手紙をいただいたらもう正直になるしかないなと思いました」
「12センチ縮んで、人として成長した人」
17年には1軍に定着し、打率2割8分、5盗塁という自己最高の成績を残した。引退後は野球教室「ライオンズアカデミー」のコーチとして活躍している。
水口さん「もしサバ読みしてなかったらプロ野球選手になれてなかったかもしれないので、そこは分からないところではありますけど、(この身長で活躍できると)証明できたので、子どもたちが少しでも勇気とか持ってもらって、夢追っかけてもらったらうれしいなと思います」
このエピソードを受けて、若林さんは最後に「水口さんは12センチ縮んで、人として成長した人です」と水口さんをラベリングしていた。
「最高で12センチサバ読んだ」という衝撃の告白から始まった番組だったが、1軍の舞台に上がるまで努力した水口さんの姿に視聴者は感動したようだ。ツイッターなどでは
「今日の激レアさん良かった!水口くんの努力半端ないって!!」
「自分も水口くんと身長変わらないくらいだからホントにスゴい努力したんだろうなーって尊敬できる」
「結果的にサバよんでくれてライオンズに入ってくれてほんとによかった!」
といった声が上がっていた。
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