「身長絶対嘘っしょ!」
入団から4年間、171センチという設定を死守した水口さんは、「今年ダメだったら辞める」と決めた2012年の秋に見事西武から指名された。しかし入団初日、新人選手と監督・コーチ陣の食事会で、172センチの高木浩之コーチから「171センチって嘘だろ!」と指摘されたことで、球団最低身長の168センチに「サバ読み直し」した。
そんな水口さんをさらなる悲劇が襲う。2013年にドラフト1位で入団した森友哉選手の身長が170センチだったのだ。
水口さん「森選手はスーパースターで、高校野球の時から。よく見てたんですけど、甲子園とか。その時に身長って出ちゃうじゃないですか。こいつ(西武に)来たらやばいなと思いながら見てたんですけど、やっぱり来てしまったので、(自分が)6歳上だから大丈夫かなっていうのもあったんですけど...」
しかし春季キャンプで、森選手から「身長168センチって絶対嘘っしょ!え、気にしてる感じっすか?本当は身長なんぼっすか?」と絡まれてしまい、水口さんは大勢のチームメートがいる中、「165センチ」と再び「サバ読み直し」を強いられてしまった。
水口さんがとうとうサバ読みをやめることになったのは16年、1軍の試合に初出場した数日後に野球少年から届いた1通の手紙がきっかけだった。
「今まで自分は背が低いことに悩んでいました。でも水口選手を見て勇気を貰えました」
この言葉を受けて「163センチでいこう」と決意。8年間のサバ読み人生を終わらせた。
水口さん「自分の息子が小さくて、っていう方たちからもたくさん、勇気もらえましたっていう手紙をもらったので、そんな手紙をいただいたらもう正直になるしかないなと思いました」