東京・目黒区の「目黒の大鳥神社前クリニック」でウイルス陽性患者がクレームをつけ、受付に4時間半も居座ったというトラブルがあった。同クリニックの防犯カメラ映像に映っていたのは、「診療費を返却しろ」と言い張る50代男性患者だった。
27日(2021年8月)の「モーニングショー」によると、この男性患者は、クレームに来た10日前に、「2日前から38度弱の発熱、咳、だるさなどの症状があり、PCR検査を受けたい」と、同クリニックを受診。糖尿病の持病があったためPCR検査に加えX線検査、血液検査を実施して約6000円の代金を支払っていた。PCR検査の結果、陽性であることを説明した数日後の8月22日、男性がクリニックを訪れ「PCR検査が陽性ならばお金は公費で支払われるはずだから無料だと聞いた。返金しろ」と言い張った。
病院に居座り、4時間半も押し問答
しかし実際は、PCR検査で陽性が判明後の医療費は全額公費で負担されるが、陽性判明前の初診料やレントゲン代などの医療費は自己負担となる。同クリニックの北村直人院長が、そう説明したが男性は納得せず、隔離期間中であるにもかかわらず病院に居座り、4時間半も押し問答を続けていた。
同クリニックでは、この男性に他の患者が近づかないようスタッフが受付以外の場所に誘導するが密集状態になってしまったという。同クリニックでは患者の診察時間をずらすなどして感染対策を実施してきたが、この男性患者の居座りの影響で混乱状態となった。
院長が「警察を呼びますよ」と伝えると、男性は「どうぞ」と言うので、110番通報。警察が駆け付けたが、金銭トラブルなどの民事には介入できないとして対応してくれなかった。院長は、このままでは午後の診療に影響が出てしまうと判断し、男性を帰らせるために仕方なく全額返金したという。
玉川徹「刑事告発してもいい」
同クリニックには、「陽性を取り下げてくれ」という患者も来たという。PCR検査で陽性と診断された30代男性が検査の1週間後に電話をかけてきて、「別の医療機関で検査したら陰性判定だった。保健所からは1つ目の陽性判定を取り下げたら陰性になると言われた」として陽性判定取り下げを求めたという。
院長が取り下げはできないと説明したが、男性は脅すような口調で「裏で何をやっているかわからない。取り下げなかったら感染症になったことでの経済的損失を補償してくれるのか。もう二度と行かない」と捨て台詞を言ったという。
第5波で患者が急増していることに加えて陽性患者とのトラブルのストレスで眠れない日々が続いているという北村院長は「正直、やってられないという思い。こっちは本当に......、うん、あの......す、すいません」と涙で声を詰まらせた。
スポーツキャスターの長嶋一茂は「院長は患者を救いたいという思いでやっているのだと思う。そんな中で理不尽な来客があって対応に追われている。警察が民事不介入と言うのはわからないではないが、この映像を見ると業務妨害にも見える。ここは対応してもらいたかった」と指摘。
テレビ朝日コメンテーターの玉川徹は「悪いのは明らかにクレームに来た患者ではあるけれど、警察もこれは威力業務妨害だと判断してもよかったのではないか。陽性者にクリニックを占拠されたとしたら金銭トラブルではないともいえる。お金を無理やり返させてもいるし、院長は刑事告発してもいいと思う。告発しないと、大変な医療がさらに進まなくなる。場合によっては恐喝にもなるかもしれない」とコメントした。
(バルバス)