新型コロナ政府分科会の尾身茂会長も、さすがに堪忍袋の緒が切れたのだろう。きのう25日(2021年8月)の衆議院厚生労働委員会(閉会中審査)に出席し、東京パラリンピック大会のために再来日した国際オリンピック委員会のバッハ会長について、「なぜわざわざ来るのか」と不快感をあらわにしたほか、政府の対応についても厳しく批判した。26日の「あさチャン!」は、このもようをたっぷり伝えた。
バッハ会長は東京五輪閉幕後に東京・銀座の散策を楽しんだあと、いったん帰国したのだが、国際パラリンピック委員会の招待という形で今月23日に再来日。開会式に出席し、きょう未明に羽田空港から帰国した。
「あさチャン!」取材に都内男性「国民の声を言ってくれた」
尾身会長はこれについて、「いま人々にテレワークを要請しているわけですよね。今回またバッハ会長の挨拶が必要なら、なぜオンラインでできないのか。国民に(自粛を)お願いしているんだったら、バッハ会長、なんでわざわざ来るのかと。普通のコモンセンス(常識)ならできるはずなんですよね。銀座も1回行ったんでしょ、と。これは、私は専門家の会議というよりも一般庶民としてそう思います」と身振り手振りを加えながら、強い口調で訴えた。
尾身会長の斜め後ろに座って厳しい表情で聞いていた三原じゅん子・厚生労働副大臣は、「銀座も1回行ったんでしょ」というくだりで思わず天をあおいで目をつぶり、その後、うつむいて小さくうなずいていた。
尾身会長の発言について、番組が都内で取材した男性は「国民の声を言ってくれた」と話していた。
政府は25日、北海道や宮城など8道県を緊急事態宣言に追加し、これで緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象になっていないのは、47都道府県のうち東北や山陰などの14県だけになった。菅義偉首相はきのうの記者会見で「明かりははっきりと見え始めています」と楽観的な見通しを述べていたが、夏休みが終わって学校現場での感染拡大が懸念されるなか、どこに明かりが見えているのだろうか。
そういえば、尾身会長はきのうの厚労委で、政府のコロナ対応について「私ども専門家の分析より、やや楽観的な状況分析をされたのではないか」とも言っていた。
(キャンディ)