羽鳥慎一「1度はみつかったのに...」
ふり出しに戻り、医師と救急隊員は救急車内から電話で受け入れ可能な病院を探すも見つからない。
田代医師は男性の部屋に戻り、男性と一緒に住む80代の父親や駆け付けた姉たちに「場合によってはここで死亡診断書を発行しないといけないかもしれない。本当にごめんね。こんなこと言って」と説明をした。
救急車の中で1時間以上待っていた男性は「水が飲みたい。家に帰りたい」と訴える。
田代医師は、男性の意思を確認するため、救急車に戻り、「2つに1つ、(病院探しで)このまま粘るか、厳しい結果になるかも知れないけど、家に帰るか」と質問。男性は「帰りたい」と訴える。
家族も「帰してください」「十分頑張っている」と、男性を自宅に戻すことを決断した。
男性は翌21日にようやく入院したものの、23日に息を引き取ったという。
羽鳥「1度は受け入れがみつかったのに、状態が悪すぎて『受け入れられない』と...こういうこともありうるのですね」
日本医科大学の北村義浩特任教授「もうちょっと軽い中等症レベルであれば受け入れられるという交渉だったのでしょうが、交渉中にご本人の状態が悪くなってしまったのでしょう。糖尿病は大きな基礎疾患ですから、陽性が判明した時点で1泊でもいいから入院し、カクテル療法を始めれば良かった。医療側として反省すべき点、今後に生かす点を今色々考えています」
(ピノコ)