「医療用酸素」に注文殺到 「ボンベ」容器足りなくなるほど

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   東京都の入院患者はきのう23日(2021年8月)、4034人と初めて4000人を越え、過去最多となった。都内では、自宅療養中の女性(70代)と男性(50代)が死亡、先月はゼロだった自宅死者は今月11人に上った。菅首相は5大臣会合で、緊急事態宣言を求めている北海道・愛知・岐阜・三重県について協議、きょうにも宣言発出を決める。

   感染拡大が止まらないなか、田村憲久・厚労相と小池百合子・都知事が共同会見、都内のすべての医療機関に、病床確保や人材派遣を要請した。正当な理由がないのに応じなければ勧告し、さらに従わなければ医療機関名を公表する。「あさチャン!」が伝えた。こうした「病床確保」はこれまでに、大阪府や静岡県など都道府県が取り組んできたが、国が強い姿勢を示したものだ。ただし、これまでは都も繰り返し取り組んできており、実効性は見通せない。

  • 入院困難な状況は変わるのか(画像はイメージ)
    入院困難な状況は変わるのか(画像はイメージ)
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「あさチャン!」で埼玉県のメーカーの例を紹介

   小池都知事の念頭には、酸素ステーションや「野戦病院」に対して、医師や看護師を派遣するよう求める狙いもある。

   医療従事者たちの受け止めはどうか。入院設備を持たず訪問診療を中心とする「新宿ヒロクリニック」の英裕雄・院長は、「スタッフの疲弊は極限にきている。適切な方に適切なタイミングで入院機会を提供するのは医療界の責務だ」。一方で、外来診療主体の医師は、「第一波、二波の時は、コロナ以外の発熱疾患の患者さんのベッドを探すのが困難だった。コロナを助けた結果ほかの病気が助からないのでは意味がない」。

   具体的には、コロナ患者を受け入れていない約250施設には、酸素ステーションや宿泊療養施設の運営や医師らの人材派遣を求める。約1万3500の診療所には、コロナ在宅医療や人材派遣、ワクチン接種を、大学医学部や看護学校など約100施設には、人材派遣やワクチン接種を求める。ただ、東京都医師会の尾崎治夫会長は、「この政策だけで乗り切れるかと言えば無理ではないか。臨時医療施設(野戦病院)のような器を外に作っていくことも、同時並行で進めることが大事だ」。

   東京都は23日、「酸素ステーション」の運用を開始した。フロアには130床が配置され、医師・看護師が24時間体制で常駐する。その一方で、「医療用酸素」を作るメーカーには注文が殺到。埼玉県のメーカーでは、東京消防庁の救急車用の酸素ボンベの注文など、酸素ボンベの容器が足りなくなるほどだ、という。自宅待機や、病院探しの間の待機で酸素の消費量が増えているからだ。

(栄)

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