明日からパラリンピックが開幕する。23日のあさチャンには、国際パラリンピック委員会(IPC)親善大使の香取慎吾が生出演、大会への期待を語った。番組の中では、大会の選手らの新型コロナ感染が100人を超えたことも伝え、危機的な状況のなかでの大会開催であることを感じさせた。
国際パラリンピック委員会(IPC)特別親善大使の香取慎吾さん(44)は、「東京パラリンピックは、社会を変えることができる力を持っている」とのメッセージを改めて強調した。
パラ選手や関係者、コロナ感染100人超えのニュースも
番組は、2005年のJR福知山線の脱線事故が原因で、首から下がマヒする障害を負う岡崎愛子選手(35)が、事故から再起してアーチェリー日本代表になるまでの16年間を追った。
岡崎選手は19年の世界パラアーチェリー選手権で銅メダルをとった。学生時代はドッグトレーナーを志したが、05年4月25日の脱線事故で、1両目に乗り合わせた。首の骨を折る(けい髄損傷)重傷で首から下にマヒが残った。13年にオリパラの東京開催が決まった後、母の敦子さんが大学時代にやっていたアーチェリーを始めた。最初は、弓も持てず弦も引けなかったが、筋力・体幹トレーニングを積み重ねた。
香取さんは、「車いすの生活をしている方や障害を持った方が、パラスポーツと出会うきっかけも、まだまだ日本には少ない。新しいきっかけをつかむための場所が、この東京大会で広がり、みんなのコミュニケーションが広がっていくと思う」。
番組は、この特集とは別の単発ニュースで、東京パラリンピックの選手や関係者の新型コロナ感染が100人を超えた、と伝えた。大会組織委員会は、選手村で活動するスタッフについて「4日に一回」としていた検査を「毎日」などに強化する方針を固めた、という。
このほか、先月のサッカー欧州選手権の観客がどれだけコロナに感染したか、についての英国の調査結果も伝えた。英国保健当局によると、8試合に集まった計35万人のうち約6400人が感染した。観客には陰性かワクチン接種証明の提示を求めていた。このうち決勝戦では、3404人が感染した、という。英紙タイムズは「決勝戦はコロナ感染を一気に広げた、スーパースプレッダーイベントだった」と報じた。
IPCのパーソンズ会長は21日、選手が重症化したりクラスターが発生した場合の「大会継続」の可能性について、「途中で何かが変わってしまったら、アスリートの安全と健康を守るために、最善の方法で対応する必要がある」と語った。パラリンピックをウォッチする側も、「必要な場合は、中止を求める」覚悟で臨む必要があるだろう。
(栄)