きょう23日(2021年8月)から始業式を迎える学校も多いなか、10代以下の子どものコロナ感染が1週間で2.2万人を越えた。夏休み期間中に急増する「子ども同士の感染」「子どもをきっかけとした家庭内感染」の広がりを、23日の「あさチャン」がとりあげた。
同居する5人家族全員が感染して療養中の大阪府在住の女性(46)は言う。「長男以外は熱もなく、みんな(コロナに)かかっていると思っていなかったので、びっくりしました」。
長男(15)と次男(8)が大阪府内の親戚に遊びに行って帰宅後、長男が発熱、陽性だった。PCR検査をしたところ、家族全員の陽性がわかった。祖父(79)と祖母(74)は、ワクチンを2回接種済み、2週間以上経過していた。母親はまだ接種の順番が回ってきていなかった。現在、母親は息子2人とホテルで療養、祖父母は自宅にいる。「家庭内感染は2、3日で広がっちゃって、そのスピードも分かったので怖いなと思います」
1歳の娘が感染した20代の母親は、娘が発熱した際に、かかりつけ医には「ただの夏風邪、コロナだったとしても子どもは重症化しないから大丈夫」と言われた。いま娘は、肺炎で入院中だ。「子どもは軽症で済むと決めつけ、処置が手遅れになってはいけない」と母親は訴える。
夏休み延長の動きも...親の休業補償も課題
子どもたちの感染が全国に急拡大している。厚労省によると、5月12~18日には5072人だったが、8月11~17日の1週間では2万2175人と約4倍に増えた。重症化も相次ぐ。インドネシアでは先月、毎週100人以上の子どもが死んだ。コロナ死者の3割が10~18歳だった。
日本では夏休みを延長する動きが出ている。沖縄県では那覇市など20を超える市町村が小中学校の夏休み延長や臨時休校を決定。横浜市立の小中学校は今月26日までの夏休みを31日まで延長する方針だ。教職員への不安も広がる。横浜市内の小学校長は「ワクチンの2回目接種が終わっていない先生も結構な割合でいる」。全国の保育園でも、今月5日時点で14都道府県108か所が休園している。
国際医療福祉大の松本哲哉・主任教授は「一部の児童は家で授業を受けられるとか。先生方は全員ワクチンを受けていただくなどしないと、デルタ株に対抗するのはかなり難しい」
コメンテーターの堤伸輔・元フォーサイト編集長は「感染拡大の収束が見えないので、夏休みの延長にも限界がある。休園休校になった子どもたちの親御さんの仕事の休業対策も考えておかないと。休園休校が広がる恐れがあるので、企業の理解が必要になる」。
厚労省では、小学校や保育園などが臨時休業した場合、子どもの世話で親が有休を取得する場合、事業者に「一人当たり5万円、上限50万円」を助成する制度を用意している。こうした制度を至急、拡充する必要がある、と堤氏は指摘する。
(栄)