感染妊婦が入院できず赤ちゃん死亡の衝撃! 北村教授「日本全体が"大きな火事"の状態」

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   もう毎日の恒例行事になっているが、きょう20日(2021年8月)もMCの羽鳥慎一が前日の感染状況を読み上げる。きのう19日の全国の新規感染者数は2万5155人と過去最多。22府県で過去最多を記録した。東京では過去2番目に多い5534人が新規に感染、陽性率は23.3%で重傷者は1765人だった。自宅療養者数は2万4172人で、緊急事態宣言が発出された7月12日の1838人から約13倍に増えている。

   ゲストコメンテーターの日本医科大学、北村義浩特任教授は「大都市周辺だけではなく日本全体が大きな火事になっている。全体で2万5000人を超えたのはびっくりした。まだ高い数値が続くことは間違いない」とコメント。

  • 赤ちゃんを救うことはできなかったのか…(写真はイメージ)
    赤ちゃんを救うことはできなかったのか…(写真はイメージ)
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保健所が探しても、受け入れ病院見つからず

   そんな状況下で悲劇が起こっていた。感染した千葉・柏市の妊娠8カ月の30代の妊婦が入院できず、赤ちゃんを自宅で出産したが、赤ちゃんが亡くなってしまったのだ。

   この女性は8月11日に新型コロナ感染が確認され、軽症~中等症と診断された。15日に市の保健所が入院調整を県に依頼したが、医療機関が見つからず自宅療養していた。17日の午前9時に保健所の健康観察があったとき女性は「前日から腹部に張りがある」と訴え、保健所が県の医療調整本部に相談、かかりつけ産婦人科や保健所で病院を探したが複数の医療機関に断られ受け入れ先が見つからずにいた。

   その日の午後4時20分には、保健所に「2度目の出血があった」と連絡があり、さらに受け入れ先を探したが見つからなかった。1時間後の午後5時20分には「自宅で出産した」と119番通報し、再び医療機関を探したが受け入れ不可、午後5時36分に救急隊が到着したが、搬送先で赤ちゃんは死亡してしまった。

   北村特任教授は「痛ましい事件だ。妊婦は特に妊娠後期にコロナで重症化しやすい。母親が肺炎になり酸素不足になると、赤ちゃんも酸素が受け取れない。そのせいかもしれないが、妊婦でコロナにかかると早産をしやすいともいわれている。その場合、出産後すぐにNICU(新生児特定集中治療室)に入れられなければ命の危険がある」と話す。

   千葉県は感染した妊婦のうち妊娠36週以降の妊婦を優先的に入院させるとしている。千葉・熊谷俊人知事は「妊婦も含め感染者がなかなか入院できない状況は重く受け止めている。産科の医療機関などと連携し、どのようなサポートができるか検討していく」としている。

   日本産婦人科医会常務理事で日本医科大学多摩永山病院の中井章人院長によると、コロナに感染した妊婦は母体救命と感染対策のため手術時間が短い帝王切開が多くなる。出産後すぐに赤ちゃんを隔離し授乳や触れることができないため、高度な新生児医療と感染症対策が必要となるが、受け入れられる病院が少ないという。

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