「週刊文春」「週刊新潮」電車の中吊り広告から撤退――カネかけても効果薄く、ホームに売店なし
週刊文春と週刊新潮が電車の中吊り広告から撤退することが話題だ。中吊り広告の入稿と原稿作りの時間差を理由にしているが、時間差をいえば、新聞広告も同じであろう。要は効果がない、カネもないということである。
中吊り広告の利点は、満員電車でチラッと見たタイトルが面白そうだと思ったサラリーマンが、電車を降りて、目の前にある駅の売店で買ってくれるところにあった。いまは、大きな駅をのぞいて売店がなくなってしまった。読者は30分もかけてコンビニで週刊誌を買ってはくれない。それは夕刊紙も同じだ。
中吊りの次は新聞広告がなくなるのだろう。不特定多数が見てくれる中吊りと違って、新聞の読者しか見てくれない広告が切られるのは、案外早いのではないか。私がいた頃の週刊現代は、主要都市の電車、地下鉄に中吊り、北海道から沖縄までほとんどの新聞に広告を掲載していた。当時の宣伝の人間から聞いた話では、その費用は月額1億円にもなったという。ふた昔前の話である。