ジャニーズ事務所「メリー喜多川」タレント守るすさまじい執念!週刊現代記者をビビらせた啖呵――ほか5編

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   メリー喜多川(本名・藤島メリー泰子)が亡くなった。享年93。弟・ジャニー喜多川の死から約2年後だった。弟が美少年を発掘し、姉がその子たちをメディアに売り込みアイドルに仕立て上げていった。ジャニーズ事務所はその両輪を失ってしまった。

   元少年隊の東山紀之は、メリーの「私はタレントを守るためなら、いくらでも悪人になります」という言葉を忘れないとメディアに語っている。私が週刊現代の現場にいた頃、ジャニー喜多川の「少年愛」を記事にしたことがあった。メリーを直撃した朝倉喬司記者から聞いた話だが、彼女は彼に、どうしてもそれを書くというのなら、私はここで服を脱いで、「襲われた」と警察に話すといったそうだ。百戦錬磨の朝倉も、「さすがにビビった」といっていた。そのメリーの凄まじい腹の括り方にメディアもひれ伏したのである。

   だが、皮肉なことに、姉弟でつくり上げた「帝国」を崩壊させるきっかけをつくったのもメリーだった。SMAPを育て、慕われていた飯島三智マネージャーを追い出し、その結果、SMAPは解散、今日まで続くタレントたちの大量退所、凋落へとつながっていくのである。メリーの死をきっかけに、60年に及ぶジャニーズというモンスター事務所の実態が解明されることを期待したい。

菅首相はギャンブル依存症!?負けが込むほど強気になって破綻――「GoTo」「オリンピック」「横浜市長選」すべて裏目

   さて、菅首相の命運が尽きるという特集が目につく。週刊ポストと週刊現代が「菅おろし」が始まったと報じている。ポストによれば、7月30日(2021年)に麻生太郎が近くにある安倍晋三の家を訪ねたという。麻生が安倍の私邸を訪ねるときは何かが起こる。2017年9月10日の私邸会談の約2週間後に、安倍が突然、「国難突破解散」と称して解散・総選挙に持ち込んだ。昨年の8月15日には、その約2週間後に安倍は退陣を表明している。

   麻生派の議員は、総裁選の情勢を話し合ったと見ている。2人にとって一番の関心事は、菅の後ろ盾、二階俊博幹事長を引き摺り下ろすことである。8月3日に二階は、9月29日に総裁選が実施されても、「現職が再選される可能性が高い」と、菅が無投票で再選されるという見通しを語った。

   安倍と麻生は以前から、二階を幹事長から外せと菅に求めていたが、意に反して菅は二階に救いを求め、それを力に再選しようと企んでいる。永田町を我が物にしようとする安倍・麻生対二階・菅の暗闘劇は、これから本番を迎えるようだが、週刊文春は、その前に菅の命運が尽きると見ている。

   それが8月22に投開票される横浜市長選だというのである。なぜなら、菅が強力に進めてきた横浜にカジノを誘致するという政策を是とする林文子現市長ではなく、閣僚を辞任して突如出馬を表明し、カジノ誘致反対を掲げる小此木八郎を支持するといい出したからである。菅は小此木の父親の秘書だったが、それだけが理由ではない。「ここで勝てば『選挙の顔』にもなり得ることが証明される」(事務所関係者)という一発大逆転を狙ったからだというのだ。

   そのためには、なりふり構わず、8月3日の党役員会で「小此木をお願いします」と異例の呼びかけをし、横浜市出身の元国交省官僚でゼネコンなどに大きな影響力を持つ鹿島建設の押味至一会長に、和泉洋人首席補佐官が電話を入れ、「小此木をよろしく」と頼んだと文春は報じている。菅事務所総出で選挙運動をしているようだ。

   もっとも、林と小此木に分裂したため、自民党横浜市連は自主投票になり、漁夫の利を得るのが立憲民主党が擁立した山中竹春候補だと見られている。私は、菅という人は「ギャンブル依存症」だと見ている。それもツキが逃げていくのを無視して賭け続ける、老いた"負け犬"ギャンブラーである。コロナ感染拡大を無視して「GoToトラベル」を推し進めた。側近議員でさえ中止、延期したほうがいいと苦言を呈したのを無視して東京五輪を開催。そして今回の市長選である。横浜市長選がどういう結果になっても、私は、菅の命運は尽きると考えている。

   では、ポスト菅は誰か。文春は、菅と麻生が推すのは岸田文雄前政調会長だと見る。人は良さそうだが、頼りないという決定的な弱点はあるが、2人にとって操りやすい人間だからだが、そんな岸田を首相に据えれば「悪夢」でしかなかった安倍政治の再現になる。そんなことを許していいはずはない。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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