北海道旭川市で3月(2021年)に中学2年の女子生徒(当時14歳)が凍死体で見つかり、背景にいじめが指摘されている問題で、きのう8月18日、生徒の母親が代理人弁護士を通じて、生徒の名前、写真を公表し、「何が起きたのか。真相を知りたい」と訴える手記も発表した。
手記では、学校や旭川市教育委員会はいじめに対処せず、逆にもみ消そうとしていたと指摘されていて、「めざまし8」のコメンテーター・尾木直樹(教育評論家)は「あり得ないこと」とあきれるばかりだ。
母親の代理人弁護士「情報共有があまりにもない」
亡くなった広瀬爽彩(さあや)さんは、2019年4月に中学に入学した直後からいじめにあい、夜中の3時、4時に「先輩に呼び出された」と泣きながら外出したり、「死にたい」と口にしたりするようになった。母親は担任教諭に相談したが、手記によると、「夜中に呼ばれただけ。気にしないでください」「思春期にはよくあること」とまったく取り合ってもらえなかったという。
6月中旬には爽彩さんは川で入水自殺を図り保護されるのだが、教頭は「10人の加害者の未来と1人の被害者の未来のどっちが大切ですか。10人ですよ。1人のために10人の未来を潰していいんですか」と言い放ち、いじめを放置したという。旭川市教育委員会にも相談したが、母親は「もみ消そうとしているように見えた」と書いている。
母親は北海道教育委員会に相談し、道教委は「自殺未遂と解釈できる」として市教委にいじめ疑いで調査するよう指示し、第三者委員会が発足したが、代理人弁護士は「情報共有があまりにもない。不信感と違和感しかない」と語っている。情報を公開しないということだろう。
尾木「35年くらいいじめ問題にかかわってきましたが、これほどひどい学校や教委の対応は珍しいですよ。いまは、いじめられたと訴えがあったら、即動くようにガイドラインで定めています。この教師たちは役割を全然はたしていません。隠蔽と事なかれ主義が圧縮されていて、法律・条例違反でもあります」
スペシャルキャスターの古市憲寿(社会学者)「いじめっていう言葉は、あまり好きじゃないんです。実態は暴行や傷害で、大人であれば刑事事件の案件なのに、学校空間だといじめということでウヤムヤ。(加害側を)刑事罰で処分したほうがいいと思います」
<爽彩に何が起きたのか、生前、何か見聞きしたことがある人には、ぜひ情報を寄せて欲しいと願っています>と母親は訴えている。
(カズキ)