イスラム原理主義組織「タリバン」が権力を握ったアフガニスタンから届いた異様な映像を、19日(2021年8月)の「スッキリ」は流した。首都カブールの空港で離陸しようとする米軍機に多数の市民が群がり、すがりつく。
もう一つは、こわもてのタリバンの戦闘員が遊園地でゴーカートやメリーゴーラ(ウ)ンドに乗ったり、スポーツジムでトレーニングしたりする映像だ。「これって何?」と、夏休み中の加藤浩次に代わって森圭介アナウンサーが問いかけた。
「寛容」さアピールか
空港の映像は、命がけで国外脱出を図る市民たち。米軍の大型輸送機はそのまま離陸し、AP通信によるとしがみついた市民が落下、少なくとも7人が死亡したという。ロイター通信は、機内にぎっしりと詰め込まれた群衆の姿を「600人以上」として伝えた。タリバンの迫害を恐れたパニック的な状態らしい。
現代イスラム研究センターの宮田律理事長は「タリバンからの私的処刑を恐れた人たちと思う。実際に処刑やリンチが始まったとの報告もある」「遊園地やジムの映像は、タリバンが人々の遊びには寛容だと見せている。自分たちは特異な人間ではないとアピールしたいのだろう」と解釈する。
そのタリバンはきのう18日、会見を開き「イスラム法の範囲内で女性の権利を保護する」とソフトムードを強調した。
モーリー・ロバートソン(ジャーナリスト)「対外的なリップサービスで、本心ではない。資金不足も伝えられるタリバンがお金ほしさから優しめの顔を見せているのか」
坂口孝則(経営コンサルタント)「この中で、ロシアや中国を挟んで米国との経済戦争を懸念する。中東の不安定化で原油のサプライチェーンが乱れるのを、日本は米国とともにいかに防ぐかが重要です」
東部のジャララバードではきのう、市民の抗議デモにタリバンが発砲し、少なくとも3人が死亡、10人以上がけがをしたという(ロイター)。20年に及ぶ駐留から米軍が引き上げた後、アフガニスタンはどこへ向かうのだろうか。
(あっちゃん)