新型コロナで、複数の商業施設で次々と大規模クラスターが発生している。大阪梅田の阪神百貨店では145人が感染するクラスターが発生、全館が一時臨時休業となった。東京ではルミネエスト新宿で81人、新宿伊勢丹では食品売り場の洋菓子店や惣菜店などを中心に140人の感染者が出ている。
昨日9日(2021年8月)、西村康稔・経済再生大臣は緊急事態宣言発出中の6都府県の知事とリモート会議を行い「それぞれの感染状況に応じて、知事の判断で厳しい措置をとることができるので連携して取り組んでいければと思います」と対応を求めた。百貨店でいったい何が起きているのか、「めざまし8」では専門家の意見や百貨店売り場従業員の声などを元にクラスター発生の実情に迫った。
「めざまし8」の取材に従業員「こっち側も驚いている」
松井一郎大阪市長は「お客様からの感染という可能性が高いのではないか。従業員同士がバックヤードで感染しているのであれば、フロア全体に広がっていると思う。今回は、一部のエリアに従事している職員」と指摘する。
しかし、「めざまし8」が新宿伊勢丹の従業員に話を聞くと「店内でもみなさんマスクしていて、会計もパーティション越し。クラスターが発生すると思われるようなことがなかった。食事をする際は私語厳禁で、パーティションもある。働いているこっち側も驚いている」と語る。
その一方で、「去年行っていた入店人数制限は今は行っていないんですよ。混雑するとやはり密になる。一番混雑するのは1階と地下」と不安な点もあるという。他にも「客が手に取った商品を触らなければいけない」「更衣室や喫煙室が密になる」といった声も出ている。
西村大臣は「特に地下1階と1階の混雑するところで発生している。混雑時間帯は避ける、人と人との距離をとる呼びかけと同時に、入場制限や入場整理を」と呼びかける他、理美容店、学習塾、ファーストフード店などにも対策強化を求めている。
感染状況と売り場構成の関係
武井壮(元陸上競技選手)「状況を見ていると、人との距離が近くて多いところで感染が多い。入場規制して人数絞ることで営業は可能ではないか」
伊勢丹が大好きだという三浦瑠麗(国際政治学者)は、各階の感染状況と売り場構成を解説しながらコメントして、MCの谷原章介を驚かせた。
三浦瑠麗「百貨店閉めても家電量販店、ホームセンターなど別の商業施設に行く。補償の問題もある。1日あたり30億-40億の売り上げを全部閉めた時に雇用や経済的影響を考えると閉められるか。感染状況を見ると、5階のステーショナリー、ホーム用品売り場は1人。安い女性服がある2階は15人の感染者と、単価が安く人が多く入るフロアほど感染者が多い。百貨店を閉める時、豪奢品を扱うフロア限定で閉めようとしたので私は反対した。精神論ではなく合理的に判断していただきたい」
二木芳人(昭和大学教授)「お客さんからの感染可能性もあるが、従業員同士の感染可能性が高い。バックヤードにリスクはないか。地下は窓がなく十分な換気が難しい、エアロゾル感染が起きた可能性が高い」
(みっちゃん)