<朝ドラ 今週の山場は?> 8月4日(2021年)放送の汐見湯で莉子(今田美桜)と明日美(恒松祐里)と一緒にガールズトークが始まったシーンに注目した。
百音(清原果耶)がいち早く伝えた台風情報が気仙沼の漁業を救い、祖父の龍己(藤竜也)から感謝の電話をもらう。百音にとっては故郷と家族の役にたちたいと願う長年の思いが叶った瞬間だった。
「人の役に立ちたい」と「自分のため」
しかし、そこへ莉子は「何かさ、永浦さんって、ちょっと重いよね」「人の役に立ちたいとかって、結局、自分のためなんじゃん」と言いきった。
百音の笑顔がさーっと消えて、その場の空気がひんやり。
田舎育ちのモネちゃんの温かい想いと帰国子女の野望が相反する場面だが、莉子のストレートな意見も案外気持ちがいい。
一瞬の間があってから「ごめんね。別に永浦さんを否定しているとかじゃないよ。ただ、私は自分が人に認められたいとか、有名になりたいとか、そういう欲求の方がシンプルだし、ウソがないって気がするだけ」と莉子。真っ直ぐすぎる本音はまるで喧嘩腰でグサリと百音の心に突き刺さった
この後、莉子はミドルネームを入れている理由についても「目立つため」とはっきりキッパリと認め莉子ちゃんの野望が浮き彫りに。
ガールズトークによくありがちなのが、明日美ちゃんの立場。莉子と百音の間に入って、凍りついた空気の緩和剤的に振る舞っていた。困った顔のスーちゃんが可愛かったが、汐見湯の菜津さんも、莉子の棘が炸裂すると、慌てて3人の会話に加わった。野望の話を莉子にふられて「あたしは...百音と明日美の間ぐらい」とソフトに回答。女子トークにはこういう人がときには重要なのである。
百音ちゃんは、そのあと莉子の言葉に悩まされるが、「悩め悩め」と思った人も多かったはず。それはだって、ふっきれる日が必ずくるからだ。
(Y・U)