「誇大な感染者増を予想して国民を煽っている」と揶揄されることも少なくない「8割おじさん」こと西浦博・京都大教授が、東京都の新型コロナ新規感染者数について「5000人を超える」と試算した到達時期は8月「中旬」だったが、きのう5日(2021年8月)、早くも5042人に達した。オリンピックにうかれている間に、感染拡大は爆発的に進んでいる。
小池知事「非常に厳しいということ」
6日の「あさチャン!」では、都のモニタリング会議が「8月18日の予測値は、1万909人。都民の1000人に1人が毎日感染する計算になる」という試算を発表したことや、東京の自宅療養者が過去最多の1万6913人にのぼっていること、ワクチンを2回接種した後にデルタ株に感染した20代の患者の話題、お盆の旅行キャンセルが相次いでいることなどを取り上げた。
「重症者等以外は原則自宅療養」を打ち出した政府は方々から批判を受け、きのう5日の参院・厚生労働委員会では、田村憲久厚労相が「中等症は原則入院です」と軌道修正していた。中等症でも酸素投与が必要な人などは入院対象とし、最終的には医師が判断するという。
最近めっきり影が薄くなった東京都の小池百合子知事の映像は、10秒足らず。「デルタ株については準備もしておりましたけれども、非常に厳しいということ」と淡々とコメントしていた。
ロックダウン法制化論も
医療現場や専門家は危機感を募らせている。昭和大学病院の相良博典院長は「(デルタ株患者は)肺炎の進む速度が非常に速い」と指摘。自宅療養者を支援するコールセンターの負担も増加しており、「ソフィアメディ官民連携室」の眞榮和紘看護師によると「訪問して思ったより重症だったケースは一定数ある」という。
政府分科会の尾身茂会長は5日、「緊急事態宣言を出しているところでさえ、期待される効果がない。ロックダウンみたいなことを法制化議論していかなくてはいけないことになる」と話していた。
番組ではこれらの話題をニュースとして伝えただけで、スタジオで解説したりコメントしたりする場面はなかった。この日は東京五輪スペシャルプレゼンターとして、元ラグビー日本代表で、現在は順天堂大医学部に通う福岡堅樹氏(28)が出演していた。医師を目指す立場でのコメントを聞いてみたかった。
(キャンディ)