「中国ならではの難しさがあるようです」ときょう6日(2021年8月)の「あさチャン!」でMCの夏目三久が切り出したのは、約4.7兆円の中国ゲーム市場の話題だ。TBS上海支局の森岡紀人特派員が中継で伝えた。
中国のゲーム人口は6億6000万人以上。来年、中国・杭州で行われるアジア大会では、ゲームの腕前を競う「eスポーツ」が正式種目になるなど、盛り上がりを見せている。7月30日に上海で開かれたゲームの見本市「CHINA JOY」にも大勢の人が訪れた。
当局の「厳しい審査」
中国のゲーム企業は海外市場にも進出しており、たとえば日本で人気のゲーム「決戦!平安京」も中国の企業が作っている。「逆に、日本の企業が作ったゲームは、中国では広がっていないのでしょうか」という夏目の問いかけに対し、「中国でゲームを販売するには当局の厳しい審査があります」と森岡特派員。
現在中国で出回っているゲームの9割近くは中国企業が制作したものだが、海外企業がゲームを販売するには一般的に審査機関が半年から1年かかるという。中国で今年5月にリリースされたポケモンのゲームは、日本では3年前に発表されたものだ。審査期間が長すぎて、正式発売前に偽物が出回る騒動もあったという。
「CHAINA JOY」に出展したソニー・インタラクティブエンタテインメントの江口達雄氏は「暴力的な表現や性的な表現を(中国政府当局が)コントロールするところはある」と話していた。
政治的な思惑も無関係ではない。2017年にTHAAD(弾道ミサイル迎撃システム)の配備をめぐって韓国と中国が対立した際には、韓国のゲームが約4年間、審査を通らなかったという。
森岡「一筋縄ではいかない中国のゲームビジネス。政府の思惑次第という状況はしばらく続きそうです」
(キャンディ)