東京五輪の女子体操種目別ゆかできのう2日(2021年8月)、村上茉愛選手(24)が銅メダルに輝いた。女子体操のメダルは1964年の東京五輪(団体)以来57年ぶり。個人としては史上初のメダル。「戦友」の寺本明日香選手(25)と歩んだ苦しい道のりを「あさチャン!」が振り返った。
H難度の大技「シリバス」を決める
「これ以上ないぐらいの出来で3番だったので、これは自分で受け止めて、すごく満足したい」。銅メダルを首にかけた村上選手は、ちょっぴり悔しさをにじませながら、ライバルとともに流した汗が染みこんだメダルの重さをかみしめていた。
日本のエースとして集大成の五輪だった。ゆか演技の冒頭で、自身の代名詞であるH難度の大技「シリバス」(後方抱え込み2回宙返り2回ひねり)を決めた。
村上選手を支えてきた母英子さんは、「日本の女子でも、ゆかは絶対に(メダルは)無理だ、みたいに言われていたことがあるんですが、最高の演技ができたと感動しました」。
英子さんは東京・小平市で美容室を経営する。今大会前にも娘の髪を切った。茉愛選手は「横を短くしてほしい、後ろを借り上げてほしい注文した。その時母に実際には見られないけれど誰よりも応援しているよ、って言われた」。
「ほんとにつらい思い出しかない5年間だった」
さらに、試合後のインタビューで、同僚の寺本選手にも言及した。「試合前も、茉愛が良い演技できたら、私もうれしいから、と言われた。明日香が喜んでもらえるような演技が今日はできたのではないか、と思う」。
寺本選手は、代表のキャプテンを務めていた。前回のリオ五輪では、ともに代表として出場したライバルであり戦友だ。東京五輪の代表選出をかけた2019年の選考会で、村上選手は腰のけがで棄権した。村上選手に託されて、寺本選手は東京五輪の出場権を獲得した。ところが去年2月、今度は寺本選手がアキレス腱を断裂。リハビリで復帰したが、代表選考会では一歩届かず落選。補欠として代表を支えることに。
寺本選手はインスタグラムで、「歴史的快挙?銅メダルほんとにおめでとう。リオでの悔しかった想いをずっと秘めて秘めて頑張ってきて、いろんな壁乗り越えてここまできて、やっと?」。村上選手も「メダルをとるためには、いろいろなことを犠牲にしていかなければならない辛い5年間だった。自分のやってきた道は正しかったんだな、と思った」。
スタジオに生出演した村上選手は、「ほんとにつらい思い出しかない5年間だった」。
MCの夏目三久「今やってみたいことって?」、村上「うーん。スカイダイビングしたいです。自分では空中で回ったり飛んだりしてるけど、実際に空を飛んでみたい」
(栄)