3日(2021年8月)の番組冒頭、司会の羽鳥慎一が「新型コロナウイルス、きのう東京の新規感染者は月曜日としては過去最多となる2195人となりました。感染が拡大する中、菅総理は『重症患者や重症化リスクの高い患者以外は、原則自宅療養』とする方針を明らかにしました」と伝えた。
「入院対象を重症者らに制限する事実上の方針転換。果たして、命は守られるのか?」と問いかけた番組。国際医療福祉大学大学院主任教授の松本哲哉医師に話を聞いた。
「重症化するタイミングをちゃんと捉えられるのか」
羽鳥「中等症でもリスクが低い人は自宅療養になる可能性があるということですが...」
松本医師「自宅療養はけっこう厳しいと思います。基本的に、中等症には1と2がありまして、1は『肺炎はあるけど酸素投与は必要ない』、2は『酸素投与が必要』です。自宅でしか療養できないとなると、重症化するタイミングをちゃんと捉えられるのかどうか。自宅で管理ができるのかどうか。実際には酸素投与だけをしていれば大丈夫というわけではないので。この判断はもう1度見直す必要があるのではないか」
羽鳥「対策の1つ、オンライン診療の推進。自宅療養者への健康観察を強化するということですが」
松本医師「これは大事な取り組みであることは間違いない。ただ、オンライン診療についてはずっと前から対応するべきだと言われていたのに、なかなか進んでいない。まだ仕組みが整っていないので、今この感染の急増のタイミングで対応できるのかというと、難しいのではないか」
羽鳥「そして抗体カクテル療法。点滴ですが、今後は在宅患者にも取り組みを進めるということです」
「感染爆発という不都合な現実をただ追認するだけ」
松本医師「これは軽症の方に投与すると重症化させない効果はかなり出ますので、うまく使えば入院患者や重症患者を減らすことができます。ただ、残念ながら、このカクテル抗体薬を十分量供給できるかどうかはまだ分かりません。50代以上基礎疾患がある人全員にすぐ供給できるかが課題です」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「僕はこのニュースをきのう聞いた時、あっけにとられた。中等症というのは文字からすると軽く感じられるが、基本的には肺炎で呼吸困難になっている人ですよ。そういう人に『家にいてください』って言うのは、政府の失策・無策が招いた感染爆発という不都合な現実をただ追認するだけじゃないか」
政府に対する怒りをあらわにした玉川氏。「プレハブでもホテルでも点滴が受けられる場所を整備するとか、感染が広がっている地域の40代50代にワクチンを傾斜配分するとか、まだやるべきことはたくさんあるはずだ。中等症に苦しむ人はこれからどんどん出てくるのに、そういう国民を見捨てる政策だ」と非難した。
(ピノコ)