菅首相「症状が悪くなればすぐに入院できる態勢を整備」
こうした病床逼迫のなかで、菅首相は2日、「重症患者や重症化リスクの特に高い方には、確実に入院していただけるよう必要な病床を確保します。それ以外の方は、自宅での療養を基本とし、症状が悪くなればすぐに入院できる態勢を整備します」。「重症者以外は自宅療養」と事実上方針転換したのだ。
昨日都内で新たに確認された2195人のうち、1229人を検査したところ約900人がデルタ株に感染したとわかった。国立国際医療研究センターの忽那賢志医師は「7、8割がデルタ株になっているのでは。これまで以上に重症化しやすい。とくにワクチンを打っていない方は注意が必要だ」。神奈川県では2日、過去最大の1686人が感染。横浜労災病院では、コロナ対応の32床のベッドが半分埋まり、9人の陽性患者の受け入れを断った。
全国知事会は1日、「ロックダウンのようなより強い措置を検討する」とした国への緊急提言を出した。街の声も「緊急事態宣言はあんまり意味ない気がします」「ロックダウンくらいやらないと」(30代女性)。しかし、加藤勝信・官房長官は2日、「ロックダウンのような強制的な措置を、いわば都市を封鎖する。こういうことは日本ではできない」。
「デルタ・パンデミック」に政権は立ち往生。病床はますます遠のいていく。
(栄)