フェンシングでは、これまで欧州勢がメダルを独占していた種目「エペ」団体で、日本男子が史上初めて頂点に立った。そもそも「エペ」って? 2日(2021年8月)の「あさチャン!」が伝えた。
国際大会の参加選手は「フルーレ」の2倍
先週金曜のフェンシング、エペ団体決勝。日本の4人の選手が、ロシア・オリンピック委員会を破り、金メダルに輝いた。見延和靖選手(34)は、「絶対に団体で出場して、絶対に金メダルを獲るんだ、という強い思いで、今日この日を迎えたので、本当にうれしい」。宇山賢(29)、山田優(27)、加納虹輝(23)を含めた4選手だ。
江村宏二・元日本代表監督(北京・ロンドン五輪)は、「日本のフェンシングの歴史を塗り替える、快挙と思います」「(かつては)外国の選手とあたると、日本は勝てない、心の中でなかなか勝てない、というのが、正直なところあったんですね」
フェンシングには3つの種目があり、「フルーレ」は胴体への突きで得点、「サーブル」は上半身への突きと斬りで得点する。これに対して「エペ」は、全身すべてが突きの有効面で、世界で最も競技人口が多いとされる。国際大会の参加選手は「フルーレ」の2倍で、「キング・オブ・フェンシング」と呼ばれてきた。江村・元監督によると、大柄で腕の長い外国人に比べて、日本人は不利との見方が支配的だった。日本は「フルーレ」に特化、「エペ」で活躍する場面が非常に少ないのが現実だった。