きのう29日(2021年7月)の新型コロナウイルスの感染者数は、とうとう1万人(全国)を超え、「これまでに経験したことのない爆発的な感染拡大」(国立国際医療研究センター病院・大曲貴夫医師)という極めて重大な危機に陥った。医療逼迫も深刻で、東京医科歯科大病院長補佐の植木穣医師は「どこの医療機関も人も場所もギリギリの状態」と「モーニングショー」に語った。
菅内閣は東京、沖縄、大阪、神奈川、埼玉、千葉の6都府県に緊急事態宣言の発出を決めたが、政府分科会の尾身茂会長が嘆くように、「危機感が共有されていない」。きのうも東京・渋谷の繁華街などは若者であふれかえっていて、コロナに対する警戒心が緩んでいるというより、感染しても大したことないと軽く見る風潮がいよいよ広がっていることは明らかだ。
「中等症と判断されたら、遺書を書くことになります」
「実にとんでもないことです。いまこそ怖い」と、解説ゲストの北村義活医師(日本医科大特任教授)は警告した。「感染のレベルをケガにたとえて、軽症はかすり傷、中等症は傷口を縫う程度、重症は骨折と思っているかもしれませんが、そんなものではありません」と言う。
北村教授「新型コロナの肺炎は、中等は酸素吸入を付けなければいけない状態、重症は意識がなく人工呼吸器を付けられ、この世とおさらばする可能性があります。とくに、デルタ型は急速に重症化しますから、初めから軽症はなく、感染したらすでに中等症、すぐ重症に進んで、そのあとは危篤です。中等症と判断されたら、遺書を書くことになります」
お笑い芸人たちやタレントに感染が広がり、感染をネタにする大バカ者もいるが、彼らも実は重症化→危篤になるところだったのである。玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)は「きのうの東京都の自宅療養者は8477人ということですが、本当は入院しなければならないのに入れない人が5575人もいるんですよ」と伝える。
北村教授は「緊急事態宣言の効果はあまり期待できませんから、このまま増加すると、1か月後には感染者は7万人という可能性がでてきました」という。感染しても入院できず、自宅治療・待機中にバタバタと重症化して、志望者も増えそうである。渋谷で騒いでいる若者も、あしたには『コロナ危篤』になるかもしれない。
(カズキ)