『AKIRA』の赤いバイクが走り込んでくるはずだった五輪開会式!『演出責任者』変更でボツに――ほか5編

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西浦博・京大大学院教授「8月に東京のコロナ感染者5235人。パラリンピック中止もあり得る」

   東京の感染者が3000人を超えた。東京都は7月29日にモニタリング会議を開き、このままいけば8月11日に1日あたりの新規感染者が4532人になるという試算を公表した。西浦博・京都大学大学院教授によれば、「パラリンピックの開催直前には5235人になり、パラ中止もあり得る」と週刊文春で話している。

   東京都は約6000床の病床を確保しているというが、西浦にいわせれば、「一般病床は二千六百ほどで、既にこの病床数は超えてしまいました。これからは入院調整中の患者や、自宅療養者が爆発的に増えていくことになります」。東京都は特定機能病院などに、手術の延期や一部の診療科の停止などを検討するように求めているが、このままいけば「命の選別」がもっと苛烈に行われるようになるのではないか。

   人の流れが減らない、罰金を払っても酒を提供する店が減らないのは、<「五輪強行に代表される社会の不条理への反発など、複雑な思いを抱える方が増えてきている」(西浦教授)>からである。五輪は開催するが、運動会は中止せよ。酒は外で呑むな、家にいろといわれても、そりゃ聞こえませぬ伝兵衛さんである。

   だが、週刊新潮は、「8割"狼"おじさん」は怖がらせるのがお仕事と揶揄する。感染者が増えても、死亡する人が増えなければさほど心配することはないというのだが、感染者が増えていけば必然的に発症する人も増える。そうなれば病床は逼迫し、医療崩壊することは間違いない。

   新潮のいい分で納得できることもある。新型コロナウイルスによる子どもの死亡率は極めてまれで、200万人に1人といわれているそうだ。そうならば、今からでも東京五輪を子どもたちだけに限定して、自国で開催されている生五輪を観るという貴重な体験をさせてあげようというのである。賛成だが、そんな勇気は、菅首相にも小池都知事にもあるはずはない。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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