人の形に切った紙をばらまくギャグを「ユダヤ人大量惨殺ごっこ」と揶揄していた東京オリンピック開閉会式のショーディレクター・小林賢太郎氏は解任されたが、大会組織委員会内部では幹部と理事の間で激しいやり取りがあったという。
新型コロナウイルス感染で静養中のアシスタントの斎藤ちはるアナに代わって、山本雪乃アナが伝えた。きのう22日(2021年7月)発信の「スポーツ報知オンライン版」によると、組織委員会の約20人の理事が、これまで通りに開会式を行えば小林氏のギャグを認めたことになってしまうと、中止か、選手の入場行進、聖火点火、開会宣言のシンプルなものへの変更を武藤敏郎事務総長に申し入れ、記者会見での発表を求めた。しかし、会見は行われず、小林氏は解任するが、開会式は予定通りの演出・構成で行うという声明が出されてしまったという。
一茂「組織委の権力集中はどうなのか、民意が反映されないこと多々ある」
山本アナ「武藤事務総長は『小林氏は全体の調整が役割』で、組織委は『具体的に一人で演出を手掛けた部分はなかった(ので変更は必要ない)』としています。ある理事は、森さんから橋本さんに会長が代わっても、結局、幹部数人で決定する体質はほとんど変わっていないと話しています」
きょうからオリンピック中は毎日出演するという長嶋一茂(スポーツキャスター)は唖然としている。「小林氏の解任は当然至極だと思います。問題なのは武藤事務総長の対応で、20人もの理事の申し入れを、一人が突っぱねたように見えます。この権力の集中はどうなのか。この大会は、はじめから民意が反映されないことが多々あります。こういう問題が、大会中もまだどんどん出てくるんじゃないかな」
ゲストコメンテーターの潮田玲子(バドミントン元日本代表)「たとえば、広島・長崎の原爆被害を揶揄される、ジョークにされたときに、日本人がどう感じるか。そう考えたら、絶対に許されないことだとわかるはず。こうした人選って、誰がやっているだろうと思います。理事の皆さんの意見が通らなかったりと、いったいこの五輪は誰が誰のためにやっているんでしょうかねえ。ソフトボールやサッカーで心が震えるような試合があったのに、水を差すことになりました」
大会組織委員会は、女性蔑視・差別で会長を辞任した森喜朗元首相を、この大会中に「名誉最高顧問」で復帰させようと画策しているというから、いよいよ各国選手やメディアから非難を浴びそうである。
(カズキ)