国民の気持ち慮った天皇「オリンピック開会宣言」皇后の出席取りやめ、『祝う』という言葉使わず――ほか4編

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   いよいよ史上最多の金メダルが予想されるが、五輪としては史上最低になること間違いない東京五輪が始まった。予想されたとおり、選手、関係者、ボランティアたちにコロナ感染者が増えている。東京は感染爆発といってもいい状態で、その上、例年以上といわれる酷暑が選手たちを襲う。そんな中、拍手も声援もない無観客で競技を行う選手たちに哀れさえ感じてしまうのは私だけではないだろう。

   開会式で、天皇が開会宣言の英文「celebrating」を「祝う」でなく、「記念する」といい換えるとスクープしたのは週刊文春だった。コロナ感染拡大に歯止めがかからない中で、東京五輪を開催することに憂慮しているといわれる天皇は、雅子皇后の出席を取りやめ、祝意を明言すること回避したことで、国民に明確なメッセージを伝えようとしたことは間違いないだろう。

   これを政治的発言と捉え、現憲法を逸脱していると批判する向きもあるが、国民の多くが開催に反対または延期したほうがいいといっているのだから、天皇が国民に寄り添い、憂慮していることを表明することに目くじらを立てることもないと、私は考える。

   その開会式だが、もはや"呪われている"といってもいいのではないか。作曲を担当していた小山田圭吾が、過去に同級生の障がい者に対して酷いイジメをしていたことが判明して辞任に追い込まれた。続いて、開会式のショーディレクターを務めているコメディアンの小林賢太郎(元ラーメンズ)が、1998年当時のビデオで、人の形に切った紙が沢山あることを指して、「ユダヤ人大量惨殺ごっこ」といっていたことが判明した。アメリカのユダヤ系人権団体からも批判され、解任されてしまった。

   どちらもだいぶ前の「黒歴史」ではあるが、アーティストである前に人間として大事な部分が欠落していることは間違いない。週刊文春よれば、小林も小山田も、開会式の演出責任者で、渡辺直美をブタに見立てようというプランを出してクビになった、元電通の佐々木宏につながる人脈だという。クリエーターと称する連中の中に、悪ぶって差別まがいのことをいうやつがいるが、障がい者やアウシュビッツを差別したり笑いものにしては絶対いけない。人間として下司だ。

   ところで、開会式に出席する各国の首脳の数もリオ五輪の半分になるというが、トヨタ自動車などの大スポンサーも「欠席」が相次いでいる。経団連を始めとする経済3団体のトップたちも家でテレビを見るというし、NEC、富士通、TOTO、リクルート、NTT、野村ホールディングスなども欠席。ある企業担当者が、彼らの本音を朝日新聞(7月21日付)でこう語っている。「無観客の中で出席して注目されたら、目も当てられない」

有観客強行で得意満面の村井・宮城県知事は勘違い!「同調圧力に負けない」って、それって県民総意の無視だろ

   そんな中で、男女サッカー10試合を観客を入れて開催するという方針を出した村井嘉浩宮城県知事が、週刊新潮のインタビューに答えている。村井知事は、有観客にこだわる理由を2つ挙げている。一つは「何よりも、今回のオリンピックの大命題が"復興五輪"である点です」。二つ目は、「行政はすべての人々を平等に扱わなければならないという点にあります」。という。7月17日にプロ野球のオールスター戦が行われたし、24日と25日には侍ジャパンの強化試合があり、両日、1万3000人が来場する予定だという。したがって、五輪の試合だけチケットを購入しても観戦できないのは不平等だというのである。

   同調圧力に負けない、政治家には覚悟がなければいけないというが、地元紙「河北新報」が実施した7月11日の緊急アンケートでは、有観客に反対する県民が約84%を占めたという。仙台市長も無観客にするべきだといっている。多くの県民の総意を無視してまでやることを、同調圧力に屈しないとはいわない。

   それに、東日本大震災から10年という節目に、復興への感謝の気持ちを伝えたいというが、まだ復興は半ばのところが多く、安倍前政権も菅政権も「復興五輪」という言葉を使わなくなってしまったではないか。どこかの週刊誌で使っていたが、「お・も・て・ナシ五輪」とでも命名したらどうか。

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