学校関係者の新型コロナ感染によって、いったんは夏の高校野球鳥取大会を辞退したものの、その後大会に復帰した米子松蔭高校が、きのう21日(2021年7月)、試合に臨んだ。「大逆転劇を演じました」と22日の「スッキリ」で岩田絵里奈アナウンサーが伝えた。
米子松蔭高は甲子園出場春夏計4回の強豪校で今回も優勝候補と目されている。当初は17日に試合を行うはずだったが、直前に学校関係者1人の感染が判明し、部員らが濃厚接触者でないことを証明する時間がなかったため、規則に基づいて大会を辞退し、不戦敗となっていた。
「甲子園に行けよ」と
これを受け、同校野球部の西村虎之助主将が「試合もできずにこのまま終わってしまうのはあまりにも辛いです。なんとか出場する道を模索していただけませんか」とツイッターに投稿した内容がネットで拡散。大阪府の吉村洋文知事も対応を求める発信をするなど全国的な動きとなり、学校側が県高野連にかけあった結果、不戦敗は取り消されて境高校との間で再試合が設定された。
試合は最終回まで米子松蔭が2対0とリードされていたが、9回裏に1点を返し、さらに2死満塁から4番打者のレフトへの安打でサヨナラ勝ちした。米子松蔭の西村主将は試合後、「(境高校の)キャプテンの井上選手から『甲子園に行けよ』と言われた。境高校が承諾してくれたおかげで僕たちは正々堂々と試合が出来た。境高校の思いを胸に絶対に甲子園に行って、応援してくださるみなさんに恩返しをしたい」と話していた。
経営コンサルタントの坂口孝則「試合が実現してよかった。今回はツイッターで発信したことが大きかった。正しい情報発信の使い方として見習うところがありました」
対戦相手の境高校は、規則に従って不戦勝となっていたが、異例の形で実現した再試合を承諾し、その結果、甲子園への夢が途絶えた。「試合ができてよかった」「奇跡の大逆転」と米子松蔭だけを持ち上げるのではなく、境高校へのコメントも出演者から欲しかった。
(キャンディ)