「スッキリ」の中でアイヌ民族を傷つける不適切な差別表現があったとして、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会はきのう21日(2021年7月)、放送倫理違反があったとする意見書を公表した。22日の番組の冒頭で、森圭介アナウンサーが経緯を説明した。
問題の放送は今年3月、アイヌ民族の女性をテーマにしたドキュメンタリー作品を紹介した際に不適切な差別表現があったというもの。きょうの番組内ではその模様は放送されなかったが、お笑い芸人がアイヌにかけて「あ、犬」などと発言していた。
「対策を考えたうえで、8月中には『スッキリ』の番組内でご報告します」
検証委はプロデューサーら10人からのヒアリングを含む調査を行った結果として、「番組のスタッフの間に、アイヌ民族やアイヌ差別に関する基本的知識が決定的に不足していた」と指摘。
問題が起きたコーナーには専任の担当者がいないなど隙だらけのチェック体制で、最終チェック体制が極めて甘かったと判断した。小町谷育子委員長は「悪意さえなければ差別ではないという誤った感性が育まれないように、改めて教育の問題や感度を磨く問題について向かっていただきたい」と話していた。
日本テレビは「BPOの意見を真摯に受け止め、今後の番組制作にいかし、再発防止に努める」としている。番組では、差別表現の放送に至る流れを検証し、再発防止の取り組みについて後日放送するという。
MCの加藤浩次も「BPOの委員の方々がおっしゃっていた通りだと思います。なぜこんなことが起きてしまったのか、我々が強く重く受け止め、検証し、対策を考えたうえで、8月中には『スッキリ』の番組内でご報告します」と頭を下げた。
(キャンディ)