「24時間365日の救急医療」を掲げ、深刻な経営危機に陥っていた信州の老舗総合病院・有原総合病院は、熱血院長・有原修平(小泉孝太郎)と、地元銀行から出向してきた事務長・倉嶋亮介(高嶋政伸)の奮闘により、奇跡の経営建て直しに成功した。
しかし、一難去ってまた一難......どころか『二難』が有原総合病院を襲う。現実の日本が今まさに直面している『新型コロナ禍』と、その先に立ちはだかる『2025年問題』だ。
2020年初頭、瞬く間に世界中に感染拡大した新型コロナ禍は、日本の地方病院である有原病院も直撃した。
2025年問題も
有原病院は当時、患者の多くが高齢の軽症者で、医療点数の高い手術が激減。収益が上がらずに慢性的な赤字体質に陥っていた。そこに、患者らが新型コロナ感染を恐れて一斉に「受診控え」したため、あっと言う間に再び経営危機に陥ってしまったのだ。
そんな苦境の中で、有原院長が目をつけたのが3年前に始めた小さな「有原みなみ病院」だった。
有原院長は、地域初の退院支援・在宅医療支援の機能を持つ新病院を設立することを決断する。資金難の中、あまりに無謀なアイデアに、周囲は「また始まりましたね、暴走特急が」とあきれ返るが、意外にもそれが、未来に「希望の光」を灯すことになる。
新型コロナ禍による経営危機を何とか乗り切った有原病院だったが、ひと息つく間もなく、次の災難が降りかかる。
厚生労働省の試算によると、2025年以降、全人口の4分の1が75歳以上の後期高齢者となる超高齢化社会を迎える。この2025年問題の解決に向けて、政府が推進するのが「病院の再編統合」だ。
有原総合病院と同じ医療圏内に大規模病院の新設が発表され、小さな病院は潰れても構わないとばかりに、強引な政策が進められる。だが、そんなことをしたら、地域医療が崩壊するのは目に見えている。有原院長は「医療は役人がやっているんじゃない。現場の人力で回しているんだ」という信念のもと、懸命に抵抗するが......。(よる8時放送)
(寒山)