東京オリンピック・パラリンピック大会の開会式の作曲を担当していたミュージシャンの小山田圭吾氏(52)が過去のいじめを告白していた問題で、きのう19日(2021年7月)、一転して辞任を申し出、受理された。20日、司会の谷原章介が「その舞台裏に何があったのか」と問いかけた。
楽曲も使用せず
きのう夜、小山田氏はツイッターでこう綴った。
「この度の東京オリンピック・パラリンピック大会における私の楽曲参加につきまして、ご依頼をお受けしたことは、様々な方への配慮に欠けていたと痛感しております。関係各所にてご調整させて頂き、組織委員会の皆様へ辞任の申し出をさせていただきました」
その後、大会組織委員会の武藤敏郎事務総長が「混乱を招いたことを心からおわび申し上げます。小山田さんが作曲された楽曲は開会式では使用しません」と辞意を受け入れた。
組織委員会によると今春頃、小山田さんに作曲を依頼、開会式のオープニングを飾る映像と共に流れる約4分の曲を担当していた。このことが発表された今月14日直後からSNSで過去のいじめ発言が拡散され、厳しい批判の声が上がった。
小山田氏は16日にツイッターで謝罪文を発表したが、批判の声は収まらず、海外でも大きく報じられた。知的障害者と家族らでつくる「全国手をつなぐ育成会連合会」も「小山田氏のインタビュー記事は、いじめというより虐待、あるいは暴行と呼ぶべき所業です」と抗議した。加藤官房長官も19日午前、「いじめや虐待はあってはならない行為であり、まったく許されるものではない」と述べていた。
開会式はどうなる?
組織委の武藤事務総長は「小山田氏の真摯な謝罪と反省の言葉で受け入れてよいのではないかと思い、また開会式までに大変時間がないのでクリエイティブチームの方々もここで楽曲を変えるのは大変難しいということをおっしゃいました。しかし、誤った判断でした」と釈明した。
JOC元参事の春日良一氏は「前代未聞ですね。オリンピックでは、少なくとも2~3年前から準備するものです」と話し、「組織委員会の方から辞表を出してと言ったと思いますよ、裏では」と述べた。
三浦瑠麗(国際政治学者)「いわゆる身体検査がちゃんと出来ていなかったのではないか」
開会式まで3日、開会式がどうなるのか。
武藤敏郎事務総長は「クリエイティブチームが対応を検討しています」とのことだった。
(一ツ石)