平凡ながら幸せに暮らしていた専業主婦・今井早梅(二階堂ふみ)は、夫・正弘(井之脇海)から「ほかに幸せにしたい人ができた。離婚してくれ」と土下座されて家出した。しかし、虎の子の30万円が入ったバッグを盗まれた上に、パート先からクビを告げられ、あっという間に無一文、無職、宿無しの『人生崖っぷちアラサーバツイチ女子』となった。
仕方なく公園で段ボール生活を始めた早梅は、「めちゃくちゃ性格の悪い」男子高校生・片岡壱成(眞栄田郷敦)と出会い、壱成が住む豪邸に転がり込んだ。そこは片岡の祖母で高級老舗旅館「かたおか」の大女将・片岡悦子(三田佳子)の自宅だった。悦子に一目で気に入られた早梅は、旅館の仲居として働くことになった。
「旅館の女将になる?」
実は、壱成の兄で「かたおか」副社長・片岡成吾(岩田剛典)と早梅は10年前の高校時代、お互いに初恋の相手だったが、生活が荒れていた早梅の方から別れてしまったのだった。成吾は自分の旅館で働くことになった早梅を何かと気遣い、旅館中の評判になる。
早梅を兄に取られる気がして面白くない壱成は、早梅を「アイツともうデキてるのか?」と問い詰め、旅館の仕事を辞めるよう迫るが、逆にその理由を聞かれ、言葉に詰まってしまう。
一方、若女将の座を狙って成吾と付き合っている売れっ子芸者・菊乃(松井玲奈)も、成吾の揺れる気持ちに気づき、「私に隠しごとは無理よ」と牽制する。
早梅の出現によりアチコチで波乱が起きる中、空気を読むことを知らない悦子が早梅に「旅館の女将になる?」と持ちかけ、波乱は大きくなるばかりだ。
そんなある日、悦子から新しい掛け軸を旧館の物置から出しておくよう頼まれた壱成は、それを早梅にやらせようと「呪われた物置部屋から掛け軸を持って来る」というゲームを思いつく。その物置には幽霊が出るという噂があり、怖がりの壱成は近づくことすらできないのだ。ところが、ゲームに乗った早梅は物置に閉じ込められ、壱成に助けを求める。それを早梅のウソだと思った壱成は「その手には乗らねえからな」と無視したのだが......。(よる10時放送)
(寒山)