ここのところ、テレビ番組が当たる要素について述べていますが、今週も私自身が大切に考えてきたことをお話しします。
テレビマンの心得に、「ここでしかできないことをやる」があります。これは、今までも何度かこのコラムで言ってきた「他人がやらないことをやる」にも通じる、まさに、番組が当たる要素の1つなのです。
例えば安室奈美恵と落合博満選手の2ショットを逃さない
「ここでしかできないこと」とは、例えば、お正月の生放送の特番で、野球の落合博満選手と、歌手の安室奈美恵がたまたま一緒になった時に、ある種話の流れにあまり関係なくても、二人の絵を撮ること。
落合選手と安室が一緒になる、隣同士になることは、滅多にないからです。生放送の特番で次々ゲストが入れ替わる時は、「ここでしかできない」絵を撮るチャンスです。テレビマンは、そこを逃してはいけません。
同じような例が「24時間テレビ」でもあります。
例えば、リオオリンピックのメダリスト、競泳の瀬戸大也選手が武道館に来て、ゲスト席で待っている時、同じゲスト席で待っているアイドルたちと一緒の絵を撮ることです。
特に生放送では、普通の番組では見られない組み合わせの絵を撮るとことが、大事なのです。視聴者にとっては、これも生放送の面白さにつながります。一般的にはディレクターが指示を出すのですが、周りのスタッフが気づいて、ディレクターに教えることもあります。
絵を撮るということだけではなく、当たっている全ての番組に共通して言えることが、「ここでしかできないこと」を視聴者に見せたくてチャレンジを続けているのです。