「徹底的な検証」求める声
今回の災害現場から南西に1キロ離れた同市日金町では、08年から09年にかけて同じ業者が工事をした。もともとホテルの従業員用の寮があったが、これを解体し宅地造成を始めた。解体時の騒音や振動、重機で周辺道路を傷つけたり、周辺住民とトラブルが絶えず、説明会も行われた。解体後に8区画を整備する予定だったが工事は中断されたままだ。
番組は、不動産会社の代表者とは連絡がとれなかったが、元社員に話を聞いた。「プラスチックの破片とか木くず、タイヤ。うわさによるとトラックも埋めてあると。そういうものが露出していました。これが下まで崩れたらたいへんな問題だと感じた」と元社員はいう。さらに今回の土石流災害についても「責任を感じている。今回の犠牲になった人に(会社の代表が)素直に出てきて謝罪することが、一番大事なことじゃないですか」。
橋本五郎・読売新聞特別編集委員は、「市は何度も行政指導してきたが業者が従わなかった。連絡が取れなくなった。どうしたらいいのか。業者として認められるのか。今でも危険な状態が続いている。市は何をしたのか。徹底的に検証しなければ」。
(栄)