新型コロナの予防には何が最も重要なのか。6日(2021年7月)のモーニングショーでは米疾病対策センター(CDC)の元研究者で、現在国立病院機構仙台医療センターのウイルスセンター長を務める西村秀一医師に対策のポイントを聞いた。
室内の空気を追い出す換気がポイント
CDCは、今年4月、物の表面からの接触感染は新型コロナ感染の主要経路ではないという研究結果を発表した。最も注意すべき感染経路はエアロゾル感染で、感染源から1-2メートル以内でリスクが最大になるという。
番組によると、エアロゾルとは、感染者の咳やくしゃみ、会話などから排出されるウイルスを含んだ飛沫の中で、空中を漂い続ける軽いもの。感染者が15分以上換気の悪い閉鎖空間に滞在すると、2メートル以上離れた場所や感染者が立ち去った直後の空間でも感染リスクがある。
2020年2月に多くの感染者を出したクルーズ船、ダイヤモンドプリンセス号も、当初は接触感染が感染拡大の原因とみられていたが、その後ハーバード大などのチームが、「約6割がエアロゾル感染だった」という研究結果を発表している。当時、ダイヤモンドプリンセスでは、客室に入る空気は外気30%と各客室から排出された空気70%を混ぜたものを供給していたが、これが感染拡大の原因になったという。ダイヤモンドプリンセスの空調システムは2022年の運行再開を目指して改修が進められている。
エアロゾル感染を防ぐにはどうすればいいのか。
西村医師は室内の空気を追い出す換気がポイントになるという。ラーメン屋、焼肉屋、温泉、脱衣場などは換気が徹底されている場合が多く、意外とリスクが低い一方で、ビニールカーテンで仕切られたレジの内側などは、換気を徹底しないと店員さんの感染リスクは高くなる。屋外のバーベキューなどでも、マスクを外し騒ぎ続けると、密になった人たちの間にエアロゾルがとどまる可能性がある。
マスクと材質
マスクはエアロゾルを防げるのか。西村医師が素材別に通過する粒子を測定したところ、N95、医療用サージカル、不織布マスクは小さな飛沫で若干の差はあるものの除去性能は高かった。一方、布ガーゼ、ポリエステルマスクは大きく効果が落ち、ウレタンマスクは他と比べてかなり低い効果しか得られなかった。
ウレタンマスクは不織布マスクの密着を補強するために重ねてつけるのが効果的だ。
マスクのつけ外し厳禁というのも誤解で、臨機応変に外すべき。さらに、ウイルスはマスクの繊維内に入って表面にはいないので、密着性を確保するため、触って付け具合を調整することも大切だという。
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「お店の方はビニールのカーテンで安心されていたと思うが、これを見ると意外ですよね。後ろは壁で換気しにくいですよね」
菊間千乃(弁護士)「会議室はパーティションがあるからマスク外そうかと思っていたが、これを見るとマスクをつけようと思う」
司会の羽鳥慎一「マスクは玉川さんも不織布付けてその上にウレタンつけてますね」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「これは布だと思うんですが、ピッタリしてるんでサポーターとしてつけてるんです」
菊間千乃(弁護士)「私は不織布のピッタリしているやつをつけているんですが、今つけていると暑いんですよ。最近息苦しいことが増えているので、外して大丈夫なところは外そうと思います」
(みっちゃん)