3日(2021年7月)に発生した熱海市の土石流。きょう6日朝現在4人の死亡が確認されているほか、24人が安否不明となっていて、朝6時頃から1100人体制で救助活動が行なわれている。被害が拡大した原因は何か。モーニングショーでは地盤工学の専門家で、現場の視察も行った東京電機大学の安田進名誉教授にスタジオで話を聞いた。
過去の航空写真と見比べると...
安田名誉教授が注目したのは一般的な土石流との違い。2014年広島の場合は、山の細い方から徐々に土石流が始まっているのに対し、今回の熱海は上流が大きくラッパ状に崩れている。
番組では、起点となった場所を4年前に偶然撮影した動画も紹介したが、現場は海を望む絶景スポットとなっていて、ベンチも置かれている。撮影した七瀬るうさんは、突然広がる視界と、すり鉢状になっている地形に違和感をもったという。
航空写真を見ると、1999年の現場は盛り土も道路もないが、2005年にはすぐ北側に宅地が造成され、現在は7棟の別荘が。さらに17年には木々が伐採され一帯が盛り土となっていることもわかる。南側も木々が伐採され、その部分には現在ソーラーパネルが設置されている。
崩落現場はなぜ盛り土がされていたのか。熱海市に宅地造成工事の届け出がなされたのは07年。しかし、業者が無許可で樹木伐採や産廃を埋め立てたため指導が行われた。この業者は11年に事業を撤退し、現場は別オーナーに所有権が移転した。熱海市はこのオーナーが現場を階段状に整地したとしているが、オーナー代理人は『現場は盛り土と聞いていなかった。整地や埋め立てはしたことがない』とコメントするなど、両者の主張には食い違いも。熱海市は造成当時、強度は十分だったとしている。