「おととい(2021年7月3日)、静岡県熱海市で起きた大規模な土石流。これまでに3人の方が亡くなり、連絡が取れない人の数は147人に上るということです」と司会の夏目三久。日比麻音子アナは「土石流が起きた上流は、重機が入れないほか、再び土砂災害が起きる恐れもあるため、救助活動が難航しています」と伝えた。
「なんか揺れてない?」と話していると...
5日の「あさチャン!」は熱海市の土砂災害の現場の様子を報じた。土砂は全長1キロメートルにわたり、家屋などを飲み込んだ。専門家は、土石流の起点は人工的に盛られた盛り土だと指摘している。
家屋や車を飲み込む土石流の映像を捉えた撮影者は、「お父さんとお母さんが『なんか揺れてない?』って話をしていて、窓を開けてみたら山がずれていたみたいで、流れる瞬間にゴーーーみたいな感じの音が鳴っていて。初めて見た光景で、手が震えて頭が真っ白になった」と話す。
九死に一生を得たという女性は、建物1階にいたところ、土砂に飲み込まれたという。「家にいたら、家の中に泥が入ってきてベッドと壁に挟まれて。身動き取れずに堪えていた。2回目の土砂で屋根が割れて、そこから隣の家の屋根に移動した。割れなかったらそのまま埋もれていた」と話す。
「早く見つけてあげたい」
いまだ安否が確認できない家族を心配する人たちもいる。
妻が行方不明になっている田中公一さん(71)は、「もどかしい」と苦しい胸の内を明かす。田中さんの妻は、田中さんが友人の安否を確認しに出ている間に自宅で土砂に巻き込まれた。「娘と息子に電話がかかってきて『挟まれた』と(言っていたそうだ)。早く見つけてあげたい。まだ72時間は経っていないから、多少なりとも希望は持っています」と話す。
また、ある女性は直前まで一緒にいた姉を心配する。1人で家に残った姉の太田洋子さん(72)と連絡が取れないのだ。「私は行くところがあって、姉が『早く行きなさい』というので家を出た。ちょっと歩いたところで土石流が来た。間一髪だった。『早く行きな』と言われてなかったら、一緒に飲まれていた」と涙で声を詰まらせた。「早く冷たい土から出してあげたい。姉は死んでも、施設に入っても絹の靴下をはかせてほしいと言っていた人なので」。
(ピノコ)