「パネルクイズ アタック25」(ABCテレビ、テレビ朝日系)が今2021年秋終了すると、朝日新聞などが6月24日に報じた。1975年にスタートし、今年で46年の歴史ある長寿番組の終了はただただ寂しい。初代司会者俳優・児玉清。学習院大学卒業で、書評番組も長らく務め、インテリ俳優と言われていた。亡くなって10年が経ち、若い人にとっては博多華丸が「アタックチャンス」とやるモノマネのほうがお馴染みかもしれない。
児玉亡き後、局アナが繋ぎ、2015年4月、3代目司会者に就任したのが谷原章介。あれから6年、ついに番組が終わるのかというわけで、久々に6月27日、番組を見た。この日は「タレント大会」とあったが......。
正解すればパネルを1枚とり...の基本的ルールは変わらず
正解すればパネルを1枚とり、オセロのように挟むことでパネルの色をひっくり返すことができて、最終的に1番多くパネルをとった人が勝ちという基本的なルールは変わらず。
で、今回、気がついたのが、前は最初に自己紹介していたと思うのに、今は正解したら、紹介できるシステムに代わっていたこと。
だから、正解できない人はいつまでも、紹介できず、今回の場合、14問目でやっと答えられた人がいて、それまでの引きつった顔が映るたびにこちらまでドキドキした。もしも、最後まで1度も正解しなかったらどうなるのだろう。
今回、「タレント大会」とあったのだが、ラジオパーソナリティ・脇たまき、お笑い芸人・高見、俳優・塚本凌生、演歌歌手・花咲ゆき美と、誰ひとり知らない人だったので驚いた。たとえば、お笑い芸人・高見。「芸歴11年目・関西大学法学部卒業」とプロフィールにある。「昨年、コンビを解散し、今はピン芸人で相方を探している状態。芸人だけでは食べられず、朝はパン屋さん、昼は喫茶店、夜は居酒屋とバイトを3つ掛け持ちしている」と本人談。調べてみると「ヒガシ逢ウサカ」というコンビでツッコミ担当だったとか。
ユーモアを交えた決意表明に対し...
演歌歌手・花咲ゆき美しかり。「シングル『雪窓』発売中」とあったが、本人は「最近はYouTubeで昭和歌謡を歌わせていただいて、毎週月曜日に歌ってみたっていうのを......」って、それってユーチューバーと変わらないんじゃ......。
看板に偽りあり。どこが「タレント大会」なんだか。というか、中途半端なタレントなど出さず、一般の人が参加できるのがこの番組のいいところだったのに。
今回、高見がトップ賞になり、「沖縄・宮古島ペア2泊3日の旅」を賭けて、チャレンジクイズに挑むのだが、ここで、「どうですか?」と感想を訊かれた高見、「これで宮古島まで行って、その勢いで売れようと思います」とユーモアを交えた決意表明をしたのだが、そのあと谷原の態度がいただけない。「ぜひぜひものにしていただきたい。さあ今回、お当ていただきますのは......」と、ここまで手に持っている茶色のカバーがついた台本のようなものを覗き見しながら、心ここにあらず。これには「挑戦者が喋ってるでしょうが~」と、「北の国から」の黒板五郎ばりに、テレビの前で思わずツッコんでしまった。そこはウソでもいいから、挑戦者の目を見て言うところでは。
谷原といえば、4月から月~金「めざまし8」(フジテレビ)のMCに就任した谷原。大阪ローカルのクイズ番組などやりたくないという気持ちの表れなのか、逆に、番組終了が決まったことでやる気が無くなったのか......。いずれにしても、これはまずい。終わるべくして終わるべきものだったのか。
こんなことなら、モノマネが縁で「ルパン3世」の声を引き継いだ栗田貫一のように、博多華丸が後を継げばよかったのに......、といまさらながら。