金正恩総書記「痩せた映像」の狙い 「あさチャン!」で「背景には何が?」と分析

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   29日(2021年6月)の「あさチャン!」は、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党総書記の2枚の写真を比較した。1枚目はことし(2021年)1月に撮影されたもので、2枚目は6月5日に撮影されたものだ。

   「比べてみますと、痩せたようにも見受けられます。北朝鮮メディアは、『市民はこの痩せた姿を見て心を痛めている』と放送しました」と司会の夏目三久。日比麻音子アナは「北朝鮮で最高指導者の見た目の変化について報道されるのは異例のことです。背景には何があるのでしょうか」と疑問を投げかけた。

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韓国の統一省は「健康異常の問題があるとは見ていない」

   きっかけとなったのは、5日に北朝鮮中央テレビが放送した、党の重要会議に出席する正恩氏の様子だ。1カ月ぶりの動静報道だったが、そこに映った正恩氏の姿が以前より痩せたように見えるのだ。同じ角度で撮った以前の映像と比べてみると、顔の輪郭、肩周り、胸板など、全体的にひと回り小さくなっているのが分かる。

   さらに、北朝鮮専門サイト「NKニュース」は、正恩氏が使っている腕時計のベルトの穴の位置が変わっていることに着目し、「手首が細くなっているようだ」と分析している。

   しかし、韓国の統一省は「健康異常の問題があるとは見ていない」という見解を示している。では、なぜわざわざ痩せた姿が報じられたのか。

   共同通信社・元平壌支局長で、現編集委員の磐村和哉氏は、そこには北朝鮮の現状と狙いがあると話す。

「引き締め策の一環だと思います。経済的に苦しい状況の中、『痩せた』ということを利用している。『最高指導者が苦労している姿を見せてしまった。それは(国民が)自分たちの働きが足りないからだ』というような方向に世論を誘導し、一致団結を図ろうとしているのだと思います」(磐村氏)

   この手法は正恩氏の父親で、先代の金正日総書記の時も使われた。正日氏は2008年に脳梗塞で倒れたが、2009年にはやつれた様子が度々報道された。

   「2009年の時も経済は厳しい状態でした。経済的な難局を突破しようと、やる気を国民に起こさせる、奮起を促すという意味で、最高指導者の健康問題を取り上げるケースが北朝鮮では多い」と磐村氏は話している。

(ピノコ)

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