NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」6月25日(2021年)放送回で、百音(清原果耶さん)の母・亜哉子(鈴木京香さん)が若かりし頃に放ったセリフが話題になっている。(ネタバレあり)
百音が働く森林組合に隣接する診療所に、肺がんを患う田中知久(塚本晋也さん)が通い始めた。自身が営むジャズ喫茶に置くテーブルとイスを組合に発注した田中は、打ち合わせの中で、百音の両親と昔からの知り合いだったこと、そして両親の馴れ初めまで百音に語り始める。
「陰が魅力だとか、不幸が色気だとか、安っぽい価値観」
仙台で出会った百音の両親。トランペット奏者の耕治(内野聖陽さん)に大学生だった亜哉子がべた惚れし、告白するも、耕治に「地元の島に忘れらんねえ人がいます」とキッパリ断られる。
しかし亜哉子はあきらめなかった。田中に理由を聞かれると、「初めて聴いた時、『あ、この人の音明るい。全然陰がない』って思ったから」と想いを明かす。
一方耕治は、音楽の道で生きることは考えておらず、銀行に就職を決めていた。
「トムさん(田中)、俺の音好きじゃないしょ。ていうか、明るくて、まっすぐすぎて、つまんねえって本心で思ってるしょ。音楽やるような奴はもっと陰とか、傷とか、不幸とか、そういうの背負ってねえと本当の色気出ねえって」
と田中に話していたところに、亜哉子が現れ、
「正しくて明るくて、ポジティブで前向きであることが、魅力にならない世界なんてクソです!どこまでも明るい、吹いてる楽器の音まで明るいこの人は、最高に素敵です!陰が魅力だとか、不幸が色気だとか、そういう安っぽい価値観で汚さないで下さい!」
と言い放った。
田中は当時を振り返り、
「自分のつまんねえと思ってたとこ、あそこまで全肯定されたら嬉しいわな。で、そっからはあいつら、ニコイチって感じになってったね」
と、目を細めるのだった。