新型コロナウイルス感染の第5波が心配されるなかで、東京オリンピック開会式まであと4週間となり、選手、IOC関係者、海外メディアのスタッフが続々と入国しているが、滞在中の行動ルールを定めたプレーブックは抜け穴だらけと、「羽鳥パネル」で取り上げた。
「分離は徹底」のはずが...
大会中に約5万3000人の関係者が来日し、菅義偉首相は「一般国民と交わらないように、行動の分離は徹底させる」としている。ところが、例外が山ほどあって、たとえば食事は「大会会場の食事施設」「宿泊先内のレストラン」「自室内でのルームサービスやデリバリー」と決められているが、これらが利用できない場合は、「組織委が示したコンビニやテイクアウト店で購入」「感染対策をしたレストランの個室」もOKとなっているのだ。会場やホテルの食事に飽きた、アレルギーがある、ホテルのレストランが閉まってしまったという理由を付ければ、街中で買い物も食事もできるということになる。
きのう24日(2021年6月)に行われた野党のヒアリングで、立憲民主党の斉木武志議員が「コンビニに行ってもかまいません。個室であれば、レストラン、居酒屋、割烹とどこへ行ってもいいとある。これでは、飲食店クラスターが発生しますよ」と指摘すると、内閣官房オリパラ事務局は「すべて活動計画書に入れるのが原則」だから、心配いらないという。
「ちゃんと把握できますということですかね」と司会の羽鳥慎一は首をかしげたが、実際、ヒアリングで杉尾秀哉議員は「すでに、OBS(IOC公式放送機関)やNBCスタッフがゆりかもめに乗ってコンビニやスーパーで買い物しているのを確認しています」と追及した。これについても、オリパラ事務局は「そうした情報は得ていません」と調査するつもりもないらしい。これでは、プレーブックやぶりは野放しということだ。
長嶋一茂「うん、そうなるね」
結城明姫(「オリィ研究所」COO)「例外というか、行動計画書がどれほど厳しく管理されているのか、とても不安ですよね」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「要するに穴だらけなんですよ。どんなに厳しいレギュレーションにしても、必ず聞かない人は出てくるのに、初めから例外を認めているのでは、感染対策している店だというので、浅草に行ってきました、六本木に行ってきましたというのがいっぱい出てきますよ」
長嶋一茂(スポーツプロデューサー)「うん、そうなるね」
羽鳥「ペナルティーはあるんですがね」
最も重いペナルティーは国外退去だが、IOC関係者や海外メディアを大会中に追い出すなんてことができると、組織委は本気で思っているのかね。