映画の内容を短く編集した「ファスト映画」をめぐって全国初の逮捕者が出たニュースを、きょう24日(2021年6月)の「スッキリ」が取り上げた。宮城県警がきのう23日、動画投稿サイト上に違法な動画を投稿したとして、著作権法違反の疑いで札幌市の無職の男(25)ら3人を逮捕した。3人は昨年(2020年)6月から7月の間に、「冷たい熱帯魚」「悪の教典」「アオハライド」など映画5作品を無断で再編集し、ストーリーを結末まで紹介する動画をユーチューブに投稿した疑いがもたれている。県警は広告収入を狙った犯行とみて捜査している。
投稿者激増、業界団体55サイトに動画2千本を確認
「ファスト動画」とはどんなものか。知的財産を保護する業界団体である「コンテンツ海外流通促進機構」の後藤健郎氏によると、通常は2時間前後の映画を10分程度に再編集し、ストーリーや結末を字幕やナレーションで解説する動画のことで、確認された55サイトにおける投稿動画数は約2100本、総再生回数は4億7700万回にのぼる。推定被害額は956億円にもなるという。「ファスト映画によって、本編映画を見なくなるということが危惧されます。著作権の認識を(ファスト動画を見る)皆さんが持ってほしい」と後藤氏は話していた。
番組が街で聞くと、ファスト動画を見ているという若者の間では「内容を把握し、劇場に行くか判断する」「友だちと話を合わせるために電車の中で見る。本編は見ない」などの声があった。
VTRを見たMCの加藤浩次は開口一番、「これはダメだよ」とバッサリ。「10分だけ見て、見た気になるなんて。作る人間はいろんなことを考えて2時間のものを作っているのに、その感覚がわからないのでしょうか」
国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソン「映画やテレビシリーズによっては、自分たちの名場面をファンが20秒ずつ切り取って流すことを奨励しているコンテンツもあります。一律に著作権法違反ではなく、グレーゾーンも存在します」
森圭介アナウンサーは「著作権侵害では実刑を科せられることはあまりないが、今回は相当額の被害が発生しており、罰金ではなく実刑もありうる。権利者から莫大な損害賠償を請求される場合、自己破産しても免責されない可能性もある」という弁護士の見解を紹介。加藤は「それだけの罪になるということを理解しておかなければいけませんね」と念押ししていた。
(キャンディ)