千葉県・柏駅前に発電ブランコが設置されている。このブランコは漕げば発電でき、スマホを充電することができる。渋谷ヒカリエでは人が歩行した際に発生する振動を電気エネルギーに変え、発電している。
MCの夏目三久は「街中の発電が注目されていますが、右肩上がりなのは太陽光発電で、全国の戸建て住宅の約1割に導入されています」と言い、手にした薄いフィルム状のものを紹介し「軽くて薄いこのフィルムが世界の電力事情を大きく変えることになりそうです」と話した。
これは桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授が開発した超薄型の太陽電池でペロブスカイト太陽電池と呼ばれるもので、ノーベル賞候補にも挙がっているという。
夏目が「その薄さがすごい」というペロブスカイト太陽電池は特殊技術を用いて極限までの薄さを実現。わずか0.0005ミリの厚みしかなく、これはシリコンで作られている一般的な太陽電池の薄さ約0.2ミリの2000分の1、重さも20分の1となっている。
曲げられるのが最大の特徴、災害用のテントへの活用も
宮坂特任教授は「既存の窓や窓の表面、ビルの壁などに取り付けられる」と話した。これにより家庭の電気料金は30%カットできるという。
この超薄型太陽電池の最大の特徴は"曲げられる"こと。形を自由に変えられるため、宮坂特任教授は「クルマへの導入を期待している」という。実現すれば、電気自動車が使う電力の4分の1を賄えるという。さらにドーム状の建物全体に貼ることも期待される。
実用化も進んでおり理化学研究所の福田憲二郎専任研究員は「厚さは合わせて0.003ミリで、世界で一番薄い太陽電池を開発している」と話した。この技術は洋服に活用されスマートフォンなどを充電できる、洗濯やアイロンも可能な服の開発が行われている。
また京都大学化学研究所の若宮淳志教授は「災害のテントで発電して充電できればいい」と話す。テントに貼れば、2時間でスマホ30台分が充電可能になる。若宮教授は「将来的には安いフィルムのような太陽電池がホームセンターなどでロールで売っているような時代が来ればエネルギーは変わるのではないかと期待している」と話した。
「フォーサイト」元編集長の堤伸輔は「世界のエネルギー事情を変えるだけではなく二酸化炭素の排出量もぐっと下げることができる。ぜひ開発を進めてほしい」と話した。
夏目はさらに「人工衛星など、宇宙での使用も目指しているということです」とまとめた。
(バルバス)