東京五輪をめぐる五者協議(五輪組織委員会、IOC、東京都、日本政府、IPC)がきのう21日(2021年6月)開かれ、東京五輪の観客上限を最大1万人とすることなどを決定。スッキリが取り上げた。
大会組織委員会の橋本聖子会長は、「1万人」で合意した理由について、「ワクチンの接種も進み、現在のところ医療に支障をきたさないところまで体制が整ってきたと思っている」。
政府分科会の尾身茂会長は、「無観客が望ましい」「観客を入れる場合も、上限は1万人よりも厳しい基準にすべき」と提言したが、いずれも無視された格好だ。
都道府県またぐ移動めぐる見解の相違
さらに橋本会長は、「今回、中止ということが、尾身会長からも提言にはありませんでしたので、今までやってきたことの集大成として、8年間の準備をしてきた東京大会開催に向けて、努力をしていきたい。中止と言われなかったのは、改めてよかったなと思っている」。
尾身会長が「五輪中止」と提言から外したのは、「総理がG7サミットで開催を表明した。当初、開催の有無も含めて検討してください、と言う文書があったが、ここにきて意味がなくなった」(尾身氏)という事情があった。この発言を、橋本氏が逆手に取った格好だ。
一方で尾身氏は、「観客は都道府県をまたぐ移動はしないでほしい」。これに対し、橋本会長は、「ガイドラインを作成し、都道府県をまたがる移動の際の注意点などを提示する」。
尾身会長は、「感染拡大や医療逼迫の予兆が見えた際にはすみやかに無観客に」と求めたが、橋本会長は、「大会期間中に緊急事態宣言が発令されるような事態になった場合には、無観客とすることを含め関係者間で協議していく」。先送りした。