「家主はなぜ、繰り返してごみを集めてしまうのでしょうか」。司会の谷原章介がけさ22日(2021年6月)、こう問い掛けた。
3年前に行政代執行で強制撤去され、一時はきれいになったが、また元のように戻ってしまった神奈川県横須賀市の閑静な住宅街の一角。段ボール、空き缶、ペットボトル、トイレの掃除用品まで......。いわゆる「ごみ屋敷」だ。玄関に入ることもできない。
市側は「男性に指導を続けており...」
実は21日早朝4時過ぎ、「めざまし8」のスタッフが取材していると、家主の男性が近所のゴミ集積所でごみを物色していた。いくつか手に持って帰って行こうとしたので、話を聞こうとしたが、男性は無言で家に帰った。
この「ごみ屋敷」は2013年ごろから異臭や通行妨害などで問題になり、横須賀市が繰り返し指導を行ってきた。しかし、効果はなく18年、行政代執行に踏み切った。すっかりきれいになり、近隣住民も「何年ぶりだろう」と喜んでいた。だが、いつの間にか、もとに戻り、「代執行しても同じことのいたちごっこなんです」と住民はがっかりしていた。
横須賀市によると、「現在も男性に指導を続けており、ごみの撤去支援など数回行った」というが、ごみは増えるばかり。
男性と別の場所に暮らしている母親に聞くと、1カ月ほど前にも説得したが、変化はなかったという。「片づける、片づけるって、返事だけはいいんだよね。昔は几帳面だった。これからもきれいになるよう専念しますから」と話す。
武井壮「相手に寄り添って、話を聞くことで...」
谷原「記者にも答えず、なぜ、こんなにごみを集めるのでしょうか」
永島優美アナ「近所の人も諦めている状況ですね」
ごみ屋敷などに詳しい明星大学心理学部の藤井靖准教授は繰り返す理由について、(1)約半数が精神疾患や認知症を抱え、同時に孤独からセルフネグレクト状態になっている(2)ごみを宝物だと考えている人が多い。ごみを収集し手もとに置くことが心を満たす手段になっている、といい、心のケアが大切だという。
以前、番組でごみ問題に取り組んだ武井壮(タレント)「相手に寄り添って、話を聞くことで解決することが多いのではと思っています」
谷原「現代社会の縮図みたいなところもあるので、地方自治体の域を超えており、国としても対策を考えてほしいですね」
(一ツ石)