MCの夏目三久が「クイズです」と言って、「このジーンズ、ある魚から作られているのですが、何の魚でしょうか」と問いかけたのは、大学で生命科学を学んだという宇賀神メグアナ。宇賀神は「う~ん、皮膚が固そうなサメ?」と答えるが、不正解。
正解はなんとメカジキ。夏目は「バター醤油焼きにしたらおいしいですよね~」とニッコリ。実はこのジーンズ、メカジキの鼻先のとがった角の部分「吻」からできているという。
「そのまま捨て」られていた部分が...
17日(2021年6月)の放送で紹介した、この「メカジキデニム」を販売している東京・中央区の藤巻百貨店は「メカジキの吻は食べられないので、今までは捨てるしかなかった」と話した。メカジキの吻は鋭利なため、漁師がけがをしないために船の上で切断され捨てられてきた。その吻を粉末状にして生地に配合し作られたのが「メカジキデニム」で、作っているのは宮城県気仙沼市のオイカワデニム。
同社の及川洋社長は「東日本大震災の時に避難していた地元の漁師と毎日談笑する機会があった。その時にメカジキの話になり、吻を切ってそのまま捨てると聞いて非常にショッキングだった」と話した。及川社長は、年間10トン分を廃棄しているという吻を何とか生かせないか考え、粉末にした吻をコットンに混ぜてジーンズの生地にした。出来上がりも、肌になじんで動きやすいものとなったという。
夏目は「天然素材にこだわったジーンズで、ボタンにもヤシの実を使っています。さらに、メカジキを使用することでコットンの使用率を4割減少できたんです。コットンのみで作ると1着当たりで2700リットルの水が綿花栽培に必要になるが、これも削減できた環境にやさしいジーンズなんです」と説明。
さらに夏目は「コットン使用0%のジーンズもあるんです」と紹介したのは、キュアテックスが開発した和紙100%のジーンズ。同社によると「軽くてさらっとしていて上部なんです」という。作り方は、和紙を2ミリ幅にカットし、500回以上左右にねじり、その糸を何本も組み合わせて生地にする。洗濯してもまったく大丈夫な和紙製のジーンズが完成する。
同社の開発担当者は「作るときの責任、作った後の責任という部分を果たしていきたい。回収して土壌に返すような事業にも取り組みたい」と話した。
実際に和紙100%デニム生地を土の上に置くと、わずか3週間で生地がなくなり始め、2か月後にはほとんど土に還り、なくなってしまった。夏目は「同社では1年以内に、土に還す事業を始めるとのことです」と話した。
(バルバス)